調査ファイル
台湾の企業調査|取引先・出資先・採用の確認と現地法人の不正対策
台湾の会社は、代表者や董事(取締役にあたる役員)・監察人の氏名と持株、資本の額まで、台湾の経済部の公開サイトで誰でも確認できます。
ただ、その会社が登記した所在地で実際に事業を行っているか、現地法人の社員が取引先と通じていないかは、現地で確かめる必要があります。
確かめないままでいると、実態のない会社に代金や出資金を払い込んだり、社員の不正を裏づける事実がそろわないまま処分の時期を逃したりするおそれがあります。
探偵が現地で調べれば、取引や出資、採用を進めるかどうかや、社員の処分を、確かめた事実をもとに判断できます。
本記事では、台湾の企業調査について、公開サイトで確認できる登記の事項、取引・出資・採用の前に現地で調べる事項、台湾の法律で罪になる社員の不正と解雇の期限が分かります。
台湾の取引先・出資先・採用候補者の確認

台湾の会社と取引や合弁を始めるとき、出資するとき、台湾の人材を採用するときには、相手が説明どおりの会社や人物であるかが、判断の前提となります。
台湾の登記には、日本にいながら確認できる事項がある一方で、公開されない情報もあります。
ここでは、公開サイトで確認できる登記の事項と、取引先・出資先・採用候補者について現地で調査する事項を確認できます。
公開サイトで確認できる登記の事項
台湾の会社法393条により、会社名、事業の内容、所在地、董事・監察人の氏名と持株、経理人(会社が選任する支配人)の氏名、資本の額は、誰でも経済部のウェブサイトで閲覧できます。
閲覧の窓口は、経済部の商工登記公示資料查詢服務です。
株主である法人の代表者として選ばれた董事については、経済部の公開データに、その法人の名前も載ります。
董事ごとの持株と、董事を出している法人の名前を見比べれば、取引先の経営をどの会社や人物が握っているかの手がかりになります。
一方、董事以外の株主が載る株主名簿について、会社法210条で閲覧を請求できるとされているのは、その会社の株主と債権者です。
会社は、発行済株式の10%を超える株主などの情報を、会社法22条の1により毎年届け出ることになっていますが(公開発行会社などは対象外)、この情報は秘密として扱われ、照会できるのはマネーロンダリング対策にあたる行政機関や金融機関などです。
上場会社の基本情報や経営の状況、公告は、台湾証券取引所の「公開資訊觀測站」でも確認できます。
引用元:全国法規資料庫|公司法第22条の1、第210条、第393条、公司法第二十二條之一資料申報及管理辦法第11条、国立国会図書館|会社情報の調べ方(台湾)
取引先について現地で調査する事項
取引先や合弁相手について、探偵が現地で調査するのは、主に次の事項です。
- 登記した所在地に、事務所や倉庫、工場があり、人や車両が出入りしているか
- 董事や経営に関わる人物の経歴と、ほかの会社での役職
- 同業者や取引関係者から見た支払いの状況や納期の守り方
- 取引先が関わる訴訟やトラブルの有無
出入りする人や車両を、曜日や時間帯を変えて確認すれば、相手が説明した生産の量や従業員の数と見合っているかを判断できます。
事務所の住所だけを置いている会社の見分け方は、バーチャルオフィスの会社とフロント企業の違いの記事でも確認できます。
出資・買収の前に確かめる株主と役員
台湾の会社に出資したり、会社を買収したりする前には、登記に載る董事や株主がどのような人物や会社で、ほかにどの会社とつながっているかを確かめておく必要があります。
台湾では、中国大陸の人や法人、またはそれらが30%を超えて出資するか支配している第三地域の会社が、台湾の会社に出資するには、上場・上櫃・興櫃の株式を10%未満持つ場合を除き、主管機関の許可が要ります。
許可を得ずに出資した場合や、そのために自分の名義を貸した場合は、12万元以上2,500万元以下の過料の対象となり、出資の撤回を命じられたり、株主としての権利を止められたりすることがあります。
探偵は、董事や主な株主、経営に関わる人物の経歴や信用、ほかの会社での役職や取引の関係を調べ、出資を判断する材料として報告します。
出資や買収の際の調査の内容は、海外デューデリジェンス調査のページでも確認できます。
引用元:全国法規資料庫|臺灣地區與大陸地區人民關係條例第73条、第93条の1、大陸地區人民來臺投資許可辦法第3条、第4条
台湾の人材を採用する前の経歴確認
現地法人の管理職や、日本の本社で働く台湾の人材を採用する前には、本人が申告した学歴や職歴、前の勤務先での働きぶりが事実かを確認できます。
探偵は、学歴や職歴、資格の内容を確認し、申告と食い違う点がないかを報告します。
台湾の現地法人で社員を募集・雇用する場合、会社は、本人の意思に反して、仕事に必要のない私生活の情報を求めることが就業服務法で禁じられており、違反すると6万元以上30万元以下の過料の対象です。
この私生活の情報には、信用の記録や犯罪歴、背景調査なども含まれ、会社が求めてよいのは、目的に必要な範囲で、目的と正当で合理的な関連があるものに限られます。
確認する事項を、学歴・職歴・資格など仕事に必要な範囲に絞っておけば、私生活に踏み込まずに、採用の判断に使える事実を得られます。
採用候補者を含め、人物を調べる際の個人情報の扱いは、このあとの「人物を調べる際に守る個人資料保護法の決まり」で確認できます。
現地法人の社員の不正と台湾の法律

現地法人で購買や営業を任された社員が、取引先と通じたり、会社の技術や営業の情報を持ち出したりして、会社に損害を与えることがあります。
不正を理由に社員を解雇する場合は、台湾の労働基準法が、予告なしの解雇に、会社が事情を知った日から30日という期限を設けています。
ここでは、台湾の刑法で罪になる社員の不正と、営業秘密の持ち出し、人物を調べる際に守る決まり、予告なしの解雇の期限を確認できます。
背信罪と業務上の横領
会社の仕事を任された社員が、自分や第三者の不法な利益を図り、または会社に損害を与える目的で任務に背き、会社の財産などに損害を与えた場合は、台湾の刑法342条の背信罪に当たり、5年以下の懲役や50万元以下の罰金などの対象となります。
業務で預かっている会社の物を自分のものにした場合は、336条2項の業務上横領に当たり、6か月以上5年以下の懲役の対象です。
割高な発注や不自然な値引きなど、会社が受けた損害を示す事実は、背信罪を問う材料となります。
探偵は社員の社外での行動を調査し、誰と、どこで、どのくらいの頻度で会っているかを確認します。
社員と取引先の癒着を立証する証拠については、ビジネスにおける癒着の記事でも確認できます。
引用元:全国法規資料庫|中華民國刑法第336条、第342条
営業秘密の持ち出し
台湾の法務部調査局が2025年に摘発した営業秘密の侵害は、26件・62人でした。
営業秘密を不正に取得したり、無断で使ったり漏らしたりした者は、台湾の営業秘密法により5年以下の懲役などの対象となり、外国や中国大陸、香港、マカオで使う目的の場合は、1年以上10年以下の懲役の対象となります。
国内での持ち出しは、被害を受けた会社の告訴がなければ起訴されません。
自社の社員が業務の中で他社の営業秘密を侵害した場合は、会社も罰金の対象となり、代表者が防止に尽力していたときは免れます。
営業秘密として保護されるには、会社が秘密として管理するための合理的な措置を取っていることが条件です。
半導体など、行政院が指定した国家核心関鍵技術の営業秘密を、外国や中国大陸などのために、またはそこで使う目的で不正に扱った場合は、国家安全法により、さらに重い刑の対象です。
探偵は、退職する社員の転職先や設立した会社、退職前の競合の関係者との接触を調査し、持ち出しが疑われる経緯を示す事実を報告します。
引用元:全国法規資料庫|營業秘密法第2条、第13条の1〜第13条の4、國家安全法第3条、第8条、経済部智慧財産局|法務部調査局「查緝侵害智慧財產權案件統計表」(2025年1〜12月)
人物を調べる際に守る個人資料保護法の決まり
台湾の個人資料保護法では、企業が個人情報を集めるには、特定の目的があり、本人の同意、本人との契約またはそれに類する関係、本人が自ら公開した情報であることなど、定められた事情のいずれかに当たる必要があります。
不法な利益を得る目的や他人に損害を与える目的でこの決まりに反し、他人に損害を生じさせるおそれがあるときは、5年以下の懲役などの対象となります。
集めた個人情報を日本へ送ることは原則として制限されておらず、移転先の保護の制度が不十分な場合などに、主管の機関が制限できる仕組みです。
本人以外から集めた個人情報は、処理や利用の前に、出所などを本人に知らせることが原則で、知らせなくてよい場合は法律に列挙されています。
報告書には、いつ、どこで、どのような方法で確認したかを記録するため、出所の告知や説明が必要になった際にも、その記録を使えます。
同法は2025年11月に改正されましたが、2026年10月時点で施行日は決まっていません。
引用元:全国法規資料庫|個人資料保護法第9条、第19条、第21条、第41条(2023年5月31日改正の現行条文)
予告なしの解雇と30日の期限
労働基準法12条は、次のような場合に、会社が予告なしで労働契約を終了できると定めています。
- 労働契約や就業規則に違反し、その情状が重大な場合
- 技術上・営業上の秘密を故意に漏らし、会社に損害を与えた場合
- 契約の際に事実と異なることを告げ、会社を誤らせて損害を与えるおそれがある場合
この規定によって解雇された社員は、予告期間の賃金や資遣費(退職手当)を請求できません。
取引先との癒着を理由とするなら就業規則などへの違反の情状が重大であることを、情報の持ち出しを理由とするなら故意に漏らしたことと会社が受けた損害を、日時と行動を記録した事実で示すことになります。
予告なしの解雇は、刑の確定判決を理由とする場合を除き、会社がその事情を知った日から30日以内に行う必要があり、30日を過ぎると、同じ事情を理由に12条による予告なしの解雇はできません。
知った日から30日しかないため、調査の手配を早く始めるほど、期限の中で処分の理由となる事実を確かめやすくなります。
引用元:全国法規資料庫|勞動基準法第12条、第18条
台湾調査の流れと費用
取引先や出資先の確認、採用候補者の経歴確認、現地法人の不正の調査では、費用の見通しを立てたうえで、社内の決裁を得る必要があります。
台湾での調査は、現地で対応できる調査員と連携し、調査の目的に応じて方法を決めます。
ここでは、ご依頼から報告までの手順と、参考料金を確認できます。
ご依頼から報告書の提出まで
最初に、調査の対象となる会社や人物、確認したい事項、不正が疑われる場合は会社が気づいた日と経緯など、判明している範囲の事実をお伺いします。
- ご相談(電話・メール・LINE)
- ヒアリングとお見積り(無料)
- ご契約(調査目的・期間・費用・報告方法を書面で確認)
- 予備調査と本調査
- 調査報告書の提出
ご相談と調査結果のご説明は日本語で行い、現地との連絡や調整をご依頼者が行う必要はありません。
詳しい手順は調査の流れで確認できます。
台湾調査の参考料金
取引先などの法人・企業を対象とする調査、採用候補者や社員などの個人を対象とする調査、出資・買収の際の調査の参考料金は、次のとおりです。
- 法人・企業が対象:難易度★ 550,000円(税込)〜、★★ 825,000円(税込)〜、★★★ 1,650,000円(税込)〜
- 個人が対象:難易度★ 330,000円(税込)〜、★★ 550,000円(税込)〜、★★★ 770,000円(税込)〜
- 出資・買収の際の海外デューデリジェンス調査:★ 330,000円(税込)〜、★★ 660,000円(税込)〜、★★★ 1,100,000円(税込)〜
費用は、対象の数、調査の難易度、範囲と深さ、事前に分かっている情報の量によって変わります。
調べたい会社や人物と、知りたい情報をはっきりさせて調査範囲を限定すれば、無駄な費用を避けられます。
参考料金は海外バックグラウンドチェックと海外デューデリジェンス調査のページにも掲載しています。
台湾の企業調査でよくある質問
株主名簿を見られない会社でも、役員や関係者を調べられますか?
はい、調べられます。
現地での聞き取りや公開されている記録から、董事や経営に関わる人物の経歴と、ほかの会社とのつながりを調べます。
不正に気づいてから30日を過ぎていても依頼できますか?
はい、ご依頼いただけます。
予告なしの解雇の期限を過ぎていても、確かめた事実は、取引の見直しや、弁護士と損害の回復を検討する際の材料となります。
台湾に現地法人がなくても依頼できますか?
はい、ご依頼いただけます。
日本から台湾の会社と取引している場合や、台湾の人材を日本で採用する場合も、相手の会社名や人物の名前など、日本語で分かっている情報からご相談いただけます。
台湾の企業調査なら、ご相談ください
台湾の会社は、董事や資本の額を公開サイトで確認できても、登記した所在地で事業を行っているか、経営に関わる人物がどのような経歴かは、現地で確かめる必要があります。
取引や出資を検討するときは、まず経済部の公開サイトで董事と持株を確認すれば、書類で分かることと、現地で確認する事項を分けられます。
採用候補者については、学歴や職歴など仕事に必要な範囲で、申告どおりかを確かめられます。
現地法人の社員の不正が疑われる場合は、予告なしの解雇に30日の期限があるため、早くから事実を確かめておけば、期限の中で処分を判断できます。
当社は、現地の調査員と連携し、聞き取りや行動の確認を中心に調査して、取引や出資、採用、社員の処分を判断する材料として、報告書でお渡しします。
会社や人物の名前と、判明している事実だけでもご相談いただけます。
24時間受付のフリーダイヤル0120-862-506でも、ご相談をお受けしています。
ご相談とご依頼までの流れ
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まずはフリーダイヤル・お問い合わせメールフォーム・LINEよりお問い合わせ下さい。問題の概要や状況をお聞き致します。
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無料面談にて、電話やメール、LINEにて無料相談頂いた内容の詳細をお聞きし、お手伝い出来る調査やサポートをご提案致します。その際、お見積りをご提示致します。
お見積り内容には、調査期間・調査員数・調査方法・調査報告書の作成費などが含まれています。 -
お見積り金額・調査内容に十分ご納得頂けた場合、委任契約のお手続きに入ります。下記書面に署名捺印をして頂き、契約完了となります。書面には、調査目的・期間・費用の詳細・調査結果の報告方法・個人情報の取り扱いなどが記載されています。
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契約書面を基に予備調査、本調査の順に調査を実施します。その際、随時途中経過をご報告致します。追加調査が必要な場合は、都度ご相談下さい。
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全ての調査終了後、書面もしくはデータにて調査報告書を提出致します。必要に応じて各種専門家のご紹介やアドバイスなどのアフターサービスも行なっております。
お問い合わせ
ご相談は、プライバシー 秘密事項厳守で承ります。














