調査ファイル
オーストラリアの海外調査|取引先・現地法人を調べる企業調査
オーストラリアの取引先や現地法人を対象にした企業調査では、相手企業の実態を第三者の立場で調査します。
登記簿に載っている会社でも、相手の説明どおりに事業を行っているとは限りません。
たとえば、登記上の所在地に事務所がない、事業の規模が提出資料と合わないといった食い違いは、書類だけでは見抜けないことがあります。
こうした食い違いに契約や送金の後で気づいても、海外の相手から代金や出資金を取り戻すのは容易ではありません。
海外調査では、ASIC(オーストラリア証券投資委員会)の登録簿などの公開情報を日本から確認したうえで、所在地の実在、事業の稼働状況、関係する人物や企業を現地で調べます。
本記事では、オーストラリアにおける海外調査について、日本から確認できる事項と現地調査で補う事項、現地法人の不正調査に関わる現地の法令、調査費用の目安が分かります。
目次
日本企業がオーストラリアで調査を依頼する場面
外務省の調査では、オーストラリアにある日系企業の拠点などは895か所(2025年10月1日現在)、在留する日本人は10万5,566人で、在留する日本人の数は国別で米国に次ぐ2番目です。
取引や出資、現地法人の運営で関わる相手が増えるほど、本社からその実像は見えにくくなります。
ここでは、法人からのご依頼で調査を行う代表的な3つの場面を確認できます。
引用元:外務省|海外進出日系企業拠点数調査(2025年10月1日現在)、海外在留邦人数調査統計(令和7年10月1日現在)(シドニー総領事館管轄分は拠点数ではなく法人数で集計)
新規取引・代理店契約の前
オーストラリア企業との新規取引で、掛け売りや前払いに応じるかどうかを判断する場面です。
相手が提示した売上や取引実績は、相手側の説明にとどまり、それ自体は裏付けになりません。
契約締結の前に、会社が実在し、説明どおりの規模で事業を行っているかを第三者の立場で調査しておくことで、代金の未回収や納品トラブルを避けるための判断材料が得られます。
現地の販売代理店や仲介者と契約する場合も同様に、その人物の経歴や過去の取引先を契約前に調査できます。
出資・買収(M&A)の前
オーストラリア企業への出資や買収では、会計・法務のデューデリジェンスにより財務と契約の内容を検証します。
経営者の過去の経営破綻や訴訟、反社会的勢力との関係、業界内での評判については、決算書や契約書だけでは十分に確認できない場合があります。
探偵によるデューデリジェンスでは、公開情報の確認に現地での聞き取りなどを組み合わせ、これらの事項を調査します。
調査の進め方は海外デューデリジェンス(DD)調査のページでも確認できます。
反社会的勢力との関係の調べ方は、反社会的勢力チェックの方法と判明した場合の対応の記事で扱っています。
現地法人の社員の不正が疑われるとき
経費精算が急に増えた、特定の取引先にだけ発注が偏っている、退職した社員が担当していた顧客を競合他社が獲得した、といった変化が現地法人から報告されることがあります。
本社の管理部門は、現地法人の帳簿やメールなどから、不正の疑いに関わる記録を確認します。
社員と取引先との関係を社内の記録だけでは確かめきれない場合は、現地の法令に沿って行動調査などの方法を検討します。
具体的な進め方は、後述の「現地法人で起きる不正の調査」で確認できます。
日本から確認できるオーストラリア企業の公開情報

海外企業を調べる場合、日本からどこまで情報を得られるのかが最初の関心事になるでしょう。
オーストラリアでは、会社の登記を政府機関であるASICが管理しており、その一部はインターネット上で誰でも検索できます。
ここでは、調査に入る前に日本から確認できる情報と、その限界を確認できます。
ASICの登録簿で分かること
ASICのウェブサイトでは、会社・団体の登録簿、事業者名(ビジネスネーム)の登録簿、役員として不適格とされた人物・会社の登録簿(Banned and disqualified register)などを検索できます。
相手の会社名で検索すると、登録の有無と登録状態が有効かどうかを確認できます。
役員の氏名などの詳細は、会社の登記の写し(company extract)を取得して確認します。
名刺や契約書に記載された会社名が登録簿に存在しない場合や、役員がBanned and disqualified registerに掲載されている場合は、契約前に立ち止まる理由になります。
引用元:ASIC|Search ASIC's registers
登録簿だけでは分からないこと
登録簿に掲載されているのは、会社が届け出た内容です。
届出上の所在地がバーチャルオフィスで事業の実態がない場合でも、登録簿上は有効な会社として表示されます。
所在地がバーチャルオフィスの会社の見極め方は、バーチャルオフィスの会社とフロント企業の違いの記事で扱っています。
また、2026年以降、ASICの会社の登記の写しには役員の自宅住所が記載されなくなりました(豪州取締役協会AICDの解説による)。
経営者が関与する他の会社についても、まず入手できる登録情報を確認し、それだけでは分からない関係を現地での聞き取りなどで調べます。
引用元:AICD|Suppression of directors' residential details by ASIC
現地調査で補う取引先・提携先の実態

会社の実際の稼働状況や、登記上の役員と経営に関わる人物との関係は、登録簿だけでは確かめきれない場合があります。
ここでは、オーストラリアの企業調査で現地に入って調べる項目を確認できます。
事業所の実在と稼働状況
届出上の所在地に事務所・倉庫・工場が存在するか、従業員の出入りがあるか、看板や車両に社名が表示されているかを現地で調査します。
シドニーやメルボルンの中心部の住所であっても、共用オフィスの1室にすぎない場合があります。
説明された生産能力や在庫量に見合う設備の有無を現地で調べ、写真とあわせて報告します。
経営者と実質的な支配者の経歴
登記上の役員と、実際に会社を経営している人物が異なる場合があります。
経営者や実質的な支配者について、過去に関与した会社の破綻・清算、訴訟、報道、関連会社との関係を調査します。
別の人物を名義上の役員に立てて同一人物が会社を設立し直している場合、過去の会社の取引先や元従業員への聞き取りによって初めて関係が判明することがあります。
経営者個人の調査については海外バックグラウンドチェックのページでも確認できます。
業界での評判と取引の実績
相手企業の取引先、同業者、元従業員から、支払いの遅延、納期の遵守状況、トラブルの有無を聞き取ります。
相手が示した取引実績についても、その取引先に事実関係を確認できます。
聞き取りは、現地の調査員が英語で行います。
代理店・仲介者の背景
オーストラリアの刑法には、会社の代理人・委託先・子会社が外国公務員に賄賂を提供した場合に、その会社自体が「外国公務員への贈賄を防止しなかった罪」に問われる規定があります。
適用対象は、オーストラリアで設立された会社と、オーストラリア国内での行為に関する外国企業です。
会社が贈賄防止のための適切な手続きを整備していたことを示せれば、この罪を免れる余地があります。
日本企業のオーストラリア法人が現地の代理店や仲介者と契約する場合、相手の経歴や公務員との関係を契約前に調査しておくことは、この手続きを検討するうえでの材料になります。
引用元:オーストラリア法務長官府|Foreign bribery offences and penalties
現地法人で起きる不正の調査

海外拠点で不正が疑われても、本社の担当者が直ちに現地へ赴けるとは限りません。
現地の管理職に調査を任せた場合、その管理職自身が関与していれば、証拠を隠滅されるおそれがあります。
ここでは、オーストラリアの現地法人で調査対象となる不正と、調査の進め方を確認できます。
調査の対象になる不正
法人からのご依頼で調査する不正には、次のようなものがあります。
- 売上金や在庫の横領
- 取引先からのキックバック
- 架空取引や水増し請求
- 顧客情報・技術情報の持ち出し
- 在職中の競業や副業
不正の内容に応じて、社内の記録で資金や情報の動きを確認し、必要な場合は現地での接触状況や取引先の実態も調査します。
国内での不正調査の進め方は不正調査のページで確認できます。
行動調査と取引先の実態確認
キックバックが疑われる場合は、対象社員と取引先の担当者が勤務時間外に接触しているか、取引先の所在地に実体があるかを調査します。
架空取引が疑われる場合は、請求書に記載された会社が実在し、その所在地で事業を行っているかを現地で調査します。
調査で確認した日時・場所・人物は写真とともに報告書にまとめ、社内処分の検討や現地の弁護士への相談に使えるよう、お渡しします。
オーストラリアで調査するときに押さえておく法律
オーストラリアには、日本の個人情報保護法に相当する1988年プライバシー法(Privacy Act 1988)があります。
調査結果を社内処分や訴訟で用いる場合、収集の方法が現地の法令に反していないことが前提となります。
ここでは、法人が現地で調査を依頼する前に把握しておきたい2つの点を確認できます。
社員の情報を外部に渡すとき
オーストラリアのプライバシー法には、民間の雇用主が、現在または過去の雇用関係に直接関わる記録を取り扱う場合に、オーストラリアのプライバシー原則(APP)の適用を除外する規定があります。
この例外は、採用に至らなかった応募者の情報にも、雇用主から社員の情報を受け取った委託先にも及びません。
現地法人の社員の情報を調査会社に提供する場合は、受領した調査会社がプライバシー原則に沿って取り扱うことを前提に、提供の範囲と管理方法を契約段階で取り決めておくことになります。
引用元:オーストラリア情報コミッショナー事務局(OAIC)|Employee records exemption(2015年12月公表)
採用候補者の犯罪経歴は本人の同意で照会する
オーストラリアの全国警察照会(National Police Check)は、本人の同意がなければ実施できません。
現地で管理職を採用する場合、犯罪経歴の確認は、候補者本人の同意を得たうえで、認定事業者や警察を通じて照会する手続きとなります。
探偵が本人に無断で犯罪経歴を取得することはできないため、探偵が担うのは、前職での評判や経歴書に記載された職歴の事実確認です。
引用元:オーストラリア犯罪情報委員会(ACIC)|How the Service works
オーストラリア調査の流れと費用

海外での調査では、国内の調査と比べて費用がどの程度かかるのかが気になるところです。
当社は世界探偵協会(WAD)と国際調査員協議会(CII)に加盟し、オーストラリア国内の協力会社・現地調査員と連携して調査を行います。
ここでは、ご相談から報告までの流れと、法人を対象とした調査の参考料金を確認できます。
ご相談から報告書の提出まで
まず、取引や出資の予定、不正が疑われるに至った経緯など、現時点で把握している内容をうかがいます。
ご契約後は、日本から確認できる公開情報を先に調査し、そのうえで現地での調査に移ります。
公開情報の段階で問題が判明した場合は、ご相談のうえ、現地調査に進まずに判断いただけることもあります。
- ご相談(電話・メール・LINE)
- ヒアリングとお見積り(無料)
- ご契約(調査目的・期間・費用・報告方法を書面で確認)
- 公開情報の確認と現地での調査
- 調査報告書の提出
詳しい手順は調査の流れで確認できます。
法人・企業を対象とするバックグラウンドチェックの参考料金
費用は「基本調査料金」と「調査経費」で構成されます。
基本調査料金は調査員の人数、対象の人数、調査の難易度、調査項目、期間、事前に把握している情報の量などによって決まり、調査経費は現地での移動手段や日本からの調査員派遣の有無によって変動します。
- 難易度★:550,000円(税込)〜
- 難易度★★:825,000円(税込)〜
- 難易度★★★:1,650,000円(税込)〜
たとえば、取引先の事業所の実態を調べる依頼と、経営者の経歴や関連会社まで調べる依頼では、必要な調査項目が異なります。
お見積りの際に共有いただきたい情報は、次のとおりです。
- 対象企業の名称・所在地と、対象となる会社・人物の数
- 契約・出資・取引先評価などの目的と、確認したい事項
- 相手から受け取った資料や、すでに分かっている情報
ご予算をお知らせいただければ、判断に必要な項目に絞った調査計画をご提案します。
参考料金は海外バックグラウンドチェックのページにも掲載しています。
オーストラリアの企業調査でよくある質問
公開情報だけで足りることはありますか?
はい、あります。
登録簿上で会社の登録が抹消されていた場合や、役員がBanned and disqualified registerに掲載されていた場合は、その時点で取引を見送る判断が可能です。
公開情報で問題が見つからなかった場合に、事業の実態や経営者の評判を現地で調査するかどうかを判断します。
相手の会社に調べていることが伝わりませんか?
調査は秘密厳守で進めます。
聞き取りの対象や方法は、取引への影響が生じないよう、ご契約前にご相談のうえ決定します。
現地で採用する予定の人の犯罪経歴を調べてもらえますか?
いいえ、探偵が本人に無断で犯罪経歴を照会することはできません。
オーストラリアの警察照会は本人の同意が前提であり、候補者本人の同意を得たうえで、認定事業者や警察を通じて行います。
当社では、経歴書に記載された職歴や前職での評判について事実関係を調査します。
オーストラリアの企業調査なら、ご相談ください
海外の取引先や現地法人の状況は日本の本社から把握しにくく、判断材料が相手側の説明に偏りがちです。
会社の登録状況や役員の処分歴は、ASICの登録簿により日本からでも確認できます。
事業所の稼働状況、経営者の人的なつながり、現地法人の社員と取引先との関係について、資料だけでは確かめきれない部分を現地で調べます。
当社は、公開情報の確認から現地での聞き取り・行動調査までを一連の調査として設計し、契約や処分の判断に使えるよう、報告書にしてお渡しします。
相手企業の名称と、取引や不正の疑いについて把握している内容だけでもご相談いただけます。
24時間受付のフリーダイヤル0120-862-506まで、お気軽にお電話ください。
ご相談とご依頼までの流れ
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まずはフリーダイヤル・お問い合わせメールフォーム・LINEよりお問い合わせ下さい。問題の概要や状況をお聞き致します。
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無料面談にて、電話やメール、LINEにて無料相談頂いた内容の詳細をお聞きし、お手伝い出来る調査やサポートをご提案致します。その際、お見積りをご提示致します。
お見積り内容には、調査期間・調査員数・調査方法・調査報告書の作成費などが含まれています。 -
お見積り金額・調査内容に十分ご納得頂けた場合、委任契約のお手続きに入ります。下記書面に署名捺印をして頂き、契約完了となります。書面には、調査目的・期間・費用の詳細・調査結果の報告方法・個人情報の取り扱いなどが記載されています。
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契約書面を基に予備調査、本調査の順に調査を実施します。その際、随時途中経過をご報告致します。追加調査が必要な場合は、都度ご相談下さい。
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全ての調査終了後、書面もしくはデータにて調査報告書を提出致します。必要に応じて各種専門家のご紹介やアドバイスなどのアフターサービスも行なっております。
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