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採用前の身辺調査はどこまで許される?企業が確認できる範囲と方法

採用候補者の身辺調査は、調べる範囲を守れば、内定を出す前に実施できます。

採用前に確かめられるのは、次の4つです。

  • 学歴・職歴・資格が申告どおりか
  • 反社会的勢力とのつながりがないか
  • 本人が公開しているSNSや発信の内容
  • 前職での勤務状況(本人の同意を得て照会)

一方、家族や本籍、生活環境までは、厚生労働省が採用選考では調べないよう求めています。

調べてはいけない情報をもとに不採用や内定取消を決めると、就職差別につながる選考として会社の側が問題にされるおそれがあります。

この記事を読むと、採用前に確認できることとできないこと、同意を取るタイミング、探偵に依頼できる範囲と費用が分かります。

採用候補者の確認についてのご相談は、無料で受け付けています。

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採用時の身辺調査に国が求めていること

厚生労働省が採用選考で配慮を求めている3つの区分(本人に責任のない事項・思想信条・採用選考の方法)

採用時の身辺調査について、国は判断の基準を公表しています。

本人の適性や能力と関係のない事柄は、採否の判断に持ち込まないという考え方です。

ここでは、厚生労働省が示す配慮事項と、職業安定法が定める情報の集め方を確認できます。

厚生労働省が挙げている「身元調査などの実施」

厚生労働省の「採用選考時に配慮すべき事項」は、把握を避けるべき事柄を3つの区分に整理した資料です。

1つ目は本籍・出生地、家族、住宅状況、生活環境といった本人に責任のない事項で、2つ目は宗教や支持政党、思想など本来自由であるべき事項です。

3つ目の「採用選考の方法」の区分に、厚生労働省は「身元調査などの実施」をそのまま挙げています。

身元調査で集まる情報には、無責任な風評や予断、偏見が入り込むことがあり、それによって採用が左右されるおそれがあります。

引用元:大阪労働局|身元調査について

職業安定法の指針が定める情報の集め方

職業安定法第5条の5は、求人者に対し、業務の目的の達成に必要な範囲内で、目的を明らかにして求職者の個人情報を集めるよう定めています。

同法にもとづく指針は、社会的差別の原因となるおそれのある事項、思想・信条、労働組合への加入状況を、原則として集めてはならない情報に挙げました。

例外は、特別な職業上の必要性があるなど業務の目的の達成に必要不可欠で、収集の目的を示して本人から集める場合です。

集め方も、本人から直接受け取る、本人の同意を得て本人以外から集める、本人が公開している情報を使う、といった適法で公正な手段でなければなりません。

採用前に何をどう確認できるかは、この3つの集め方に沿って考えることになります。

引用元:ハローワーク新潟|職業安定法に基づく指針(抄)

線引きを越えたときに問われること

病歴や犯罪の経歴は、個人情報保護法で「要配慮個人情報」とされ、原則として本人の同意がなければ取得できません。

探偵業法第9条は、調査結果が違法な差別的取扱いに使われると知ったときは、探偵業者はその調査を行ってはならないと定めています。

家族構成や出身地を調べて採否を決める目的の依頼は、違法な差別的取扱いにあたるおそれがあります。

採用時と在職中とで変わる線引きの詳細は、人事調査で調べていい範囲と違法になる境界線で確認できます。

採用前に企業が確認できること

採用前に確認できる項目と、それぞれの確認方法・情報の集め方

確認してよいのは、仕事をこなす力の判断に要る情報です。

応募書類に書かれた内容の裏付けと、反社会的勢力とのつながりの確認は、採用前でも進められます。

確認できる4つの項目について、それぞれの方法を順に確認できます。

学歴・職歴・資格の裏付け

学歴は卒業証明書で、資格は免許証や合格証の原本で確かめられます。

職歴は、前の勤務先が本人の請求にもとづいて発行する退職証明書で、在籍期間や業務の種類を確認する方法があります。

どれも本人から提出を受ける書類なので、指針がいう「本人から直接収集」にあたる方法です。

書類が出せない理由の説明が曖昧なときは、その点を面接で具体的に尋ねることになるでしょう。

反社会的勢力とのつながり

政府の「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」が基本原則の1つに挙げたのは、取引を含めた一切の関係遮断でした。

社員として迎え入れた後に関係が分かれば、会社と反社会的勢力との間に関係ができてしまうでしょう。

採用の段階では、反社会的勢力ではないことを本人に誓約してもらう書面と、報道や公開情報の検索を組み合わせて確かめられます。

検索で名前が出てきても、それが同じ人物かどうかは、実地で確かめないと分かりません。

確認の方法と、関係が分かった後の対応は反社会的勢力チェックで回避できるリスクで取り上げています。

本人が公開しているSNSや発信

誰でも閲覧できる状態で本人が公開している投稿は、指針の「本人により公開されている個人情報」にあたります。

業務上の秘密を書き込んでいないか、他人を中傷する投稿を繰り返していないかは、この範囲で確かめられます。

投稿から分かる宗教や支持政党、家族の事情は、公開されていても採否の判断に使える情報ではありません。

鍵付きのアカウントに別名で申請して中を確認する方法は、公正な手段とはいえないでしょう。

前職での勤務状況(リファレンスチェック)

前の勤務先の上司や同僚に、仕事ぶりや退職の経緯を尋ねる方法がリファレンスチェックです。

本人以外から情報を集めることになるため、本人の同意を得てから照会します。

確かめられるのは、本人が同意した照会先と項目の範囲内です。

同意を得ずに前職の関係者へ聞いて回ると、その事実が本人に伝わり、選考そのものが争いになるおそれもあります。

採用前に確認できない情報

確認できない情報は、法律上取得できないものと、取得はできても採否に使えないものの2つに分かれます。

探偵社に依頼したからといって、この2つの扱いは変わりません。

法律上、第三者が取得できない情報は次のとおりです。

  • 戸籍謄本・住民票(本人以外は正当な理由がなければ取得できない)
  • 前科・前歴の記録
  • 銀行口座の残高や取引履歴
  • 診療記録や健康診断の結果(要配慮個人情報で、本人の同意なく取得できない)

家族の職業や学歴、住宅の状況、生活環境は、厚生労働省が採用選考で把握しないよう求めている事項です。

思想・信条や労働組合への加入状況は、職業安定法の指針も、原則として集めてはならない情報に挙げています。

健康状態の確認も、業務の内容から合理的・客観的に必要といえる場合の健康診断だけです。

こうした情報を「調べられる」とうたう業者は、違法な手段を使っている可能性があります。

確認のタイミングと同意の取り方

応募から入社までの採用確認の流れ(書類の提出・同意書・確認と照会・内定・入社)

確認する項目が同じでも、いつ確認するかで、問題が見つかったときに会社が取れる対応は変わります。

内定を出した後は取消が認められる場面が判例で絞られているため、確認は内定の前に終えておく順番が安全です。

ここでは、確認の順番と、同意書に入れておく項目を確認できます。

応募から内定までに終えておくこと

書類の提出を求める時点で、何をどの方法で確認するかを募集要項や面接で伝えておけば、後から確認の目的を説明できます。

最終面接の前後で同意書を受け取り、リファレンスチェックや外部への照会はその後に始める流れです。

確認の結果が出てから内定を出す順番にしておけば、内定取消をめぐる争いが起きる余地を小さくできます。

選考の日程が詰まっている場合は、確認にかかる日数を先に見込んで日程を組む必要があるでしょう。

内定後に経歴詐称が分かった場合

最高裁は大日本印刷事件(昭和54年7月20日判決)で、大学卒業予定者の採用内定について、解約権を留保した労働契約が成立したと判断しました。

内定取消が認められるのは、内定の当時に知ることができず、知ることも期待できない事実で、取り消すことが客観的に合理的で社会通念上相当といえる場合に限られます。

内定前に確認できたはずの事実を、内定後に取消の理由として持ち出すのは難しいでしょう。

入社後に経歴詐称が分かったときの対応は、経歴詐称は損害賠償請求できる?で取り上げています。

同意書に入れておく項目

同意書には、本人が何に同意したのかを後から読み取れるよう、次の項目を入れておくと確実です。

  • 確認の目的(採用選考のため)
  • 確認する項目(学歴・職歴・資格・反社会的勢力との関係など)
  • 照会先(前の勤務先、調査を委託する会社など)
  • 結果の使いみちと、社内で結果を確認する人の範囲
  • 不採用になった場合を含めた、結果の保管期間と廃棄の方法

項目を具体的に書いておくほど、同意の範囲を超えた確認をしていないことを会社の側が示しやすくなります。

個人情報保護法第21条は、本人から書面で個人情報を取得するときは、あらかじめ利用目的を明示するよう定めています。

自社で済む確認・探偵に任せる調査

採用前の確認を自社で行う場合と探偵に依頼する場合の比較

書類の照合と公開情報の検索で済む確認は、自社で進められます。

外部に任せる意味があるのは、書類や検索だけでは事実が確定しない場面です。

自社で足りるケースと、探偵が役に立つケースを分けて確認できます。

自社の人事部で足りるケース

証明書がそろい、在籍期間や資格に食い違いがなければ、外部の調査は要りません。

反社会的勢力の確認も、誓約書と新聞記事データベースなどの検索で該当がなければ、そこで区切りをつけられます。

自社で確認する場合も、厚生労働省の指針や個人情報保護法の線引きは同じです。

探偵業法が対象にしているのは他人の依頼を受けて調査する業務なので、会社が自社の採用のために確認すること自体は、探偵業法の規制の外にあたります。

探偵に依頼すると確かめられること

海外の大学や海外企業での職歴のように、書類の真偽を自社で確かめにくい経歴は、現地での確認が必要になります。

役員や経理責任者の候補で、検索で出てきた記事が本人のものか分からない場合も同じです。

探偵が調べるのは本人の同意と採用の目的に収まる事実で、その結果を、日時と確認方法が分かる報告書で受け取れます。

依頼の際には、調査結果を違法な目的に使わないことを示す書面を、依頼者から探偵業者へ交付する決まりがあり(探偵業法第7条)、確認する項目もその段階で絞り込む流れです。

採用前の確認を外部に任せるか迷う段階でも、確認する項目の整理からお手伝いします。

秘密厳守で対応します。内定を出す前に、無料相談で確認の範囲を決められます

採用前の確認を探偵に依頼したときの費用と流れ

費用は、確認する項目の数と、実地の確認にかかる時間で決まります。

項目を絞ってから依頼すると、調査時間が短くなり費用も抑えられます。

料金の目安と、相談から報告までの流れは次のとおりです。

料金の目安

当社の身辺調査は、基本料金5時間165,000円(税込)からです。

調査員の人数や調査の範囲、海外での確認の有無によって金額は変わり、交通費などの諸経費は別にかかります。

見積りは面談の段階で提示し、内容に納得いただいてから契約に進みます。

他の調査項目を含めた料金は料金プランに掲載しました。

相談から報告までの流れ

最初の相談でうかがうのは、候補者の職種と、確認したい項目、選考の日程です。

面談で確認する項目と期間、費用を決め、探偵業法にもとづく書面を取り交わしたうえで契約。

調査が終わると、調査期間、調査方法、調査結果と結論を記載した報告書を提出します。

手続きの詳細はご相談から報告までの流れに掲載しています。

採用前の身辺調査でよくある質問

候補者に知らせずに調べてもよいですか?

本人が公開している情報の確認や、本人から提出された書類の照合は、改めて知らせなくても進められます。

前の勤務先や知人など本人以外から情報を集める場合は、職業安定法の指針により本人の同意が前提です。

内定を出した後に調べてもよいですか?

調べること自体はできますが、内定で労働契約が成立していると判断されれば、結果を理由に取り消せる場面は限られます。

確認を内定の前に終えておけば、問題が見つかったときに会社が選べる対応が残ります。

前科や逮捕歴を調べられますか?

企業や探偵社が前科の記録を照会する仕組みはありません。

犯罪の経歴は要配慮個人情報にあたり、報道などで公開されているものを除いて、取得には原則として本人の同意が要ります。

健康状態を確認できますか?

業務の内容から合理的・客観的に必要といえる場合に、本人の同意を得て健康診断を行う形に限られます。

病歴を本人以外から聞き出す調査は、目的を問わずお引き受けしていません。

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採用前の身辺調査で迷ったら、ご相談ください

採用前の身辺調査は、家族や生活環境には踏み込まず、申告内容の裏付けと反社会的勢力の確認に絞れば、内定の前に進められます。

最後に、この記事の要点を振り返ります。

  • 厚生労働省は、家族・本籍・生活環境などを調べる身元調査を採用選考で実施しないよう求めている
  • 求職者の情報は、本人から受け取る、本人の同意を得て本人以外から集める、本人が公開している情報を使う、のいずれかで集める
  • 採用前に確認できるのは、学歴・職歴・資格の裏付け、反社会的勢力との関係、公開されたSNS、同意を得たリファレンスチェック
  • 前科は照会できず、戸籍は正当な理由がなければ、病歴は本人の同意がなければ取得できない
  • 家族や生活環境、思想・信条は採否の判断に使えない
  • 内定後の取消は判例で厳しく絞られているため、確認は内定の前に終えておく
  • 探偵に依頼するのは、海外の経歴や同一人物の確認など、書類と検索で事実が確定しない場面

どこまで確認するかを決めかねている段階でも、職種と選考の日程に合わせて確認の範囲を一緒に決めることが可能です。

24時間受付のフリーダイヤル0120-862-506でも、ご相談を受け付けています。

今すぐ無料で相談する(秘密厳守)

この記事を書いた人
FAM
INVESTIGATION
代表取締役

山内 和也

株式会社FAM Investigation 代表取締役

東京都公安委員会 届出探偵業者 第30210283号

2004年より調査業界に従事し、20年以上にわたり国内外の調査現場に携わる。累計調査件数は3,000件以上。2022年に法人部門の専門窓口を開設し、企業からの調査相談に対応している。

海外はアジア12か国・北米・欧州・南米に調査エリアを持ち、ベトナムとタイに自社拠点を構える。信用調査、トラブル調査、所在確認、行動調査など、国内で完結しない案件にも独自のネットワークで対応する。

世界探偵協会(World Association of Detectives)、国際調査員協議会(Council of International Investigators)加盟。

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