調査ファイル
中国の企業調査|取引先の実態確認・出資前の調査と現地法人の不正対策
中国の有限責任会社の株主と出資の額は、国の公示システムで公開されています。
ただ、事業の実態や社員の行動を現地で調べるときは、何をどこまで調べるかを先に決めておく必要があります。
国外の企業や個人が国の安全や利益に関わる資料を探ることは反スパイ法の対象になり、人物の情報を集めることにも個人情報保護法の決まりがあるためです。
調べる範囲を決めたうえで、探偵が現地で確かめた事実があれば、取引や出資を進めるかどうかや、社員を処分するかどうかを、その事実をもとに判断できます。
本記事では、中国の企業調査について、国の会社情報の公示システム(国家企業信用信息公示系統)で分かること、中国の法律で罪になる社員の不正と労働契約を解除できる場合、調べる際に守る決まりが分かります。
中国の会社や人物の確認、現地法人の不正に関するご相談を、無料で受け付けています。
中国の取引先・出資先・採用候補者の確認

中国の会社の登記の内容や、有限責任会社の株主の出資の額、裁判所の命令に従っていない記録は、国や裁判所のシステムで公開されています。
ただ、公開されているのは届け出られた内容や裁判所の記録で、その会社が登記した住所で事業を行っているかや、経営を左右する人物が誰かまでは分かりません。
ここでは、公開されている情報で分かる事項と、そのうえで現地で確かめる事項を確認できます。
国家企業信用信息公示系統で確認できる事項
中国の会社の登記の内容は、国家企業信用信息公示系統〈国家企业信用信息公示系统〉で公示されます。
登記機関が公示する主な事項は、会社名、住所、登録資本、経営範囲、法定代表人の氏名、有限責任会社の株主の氏名や名称です。
会社を見分ける番号は、18桁の統一社会信用コードで、営業許可証にも同じ番号が載っています。
相手から受け取った営業許可証の写しの会社名と統一社会信用コードを、公示の内容と照らし合わせておけば、契約の相手の会社を取り違えるのを防ぐ手がかりになります。
会社は毎年1月1日から6月30日までに前の年の年度報告を出して公示し、出さなかった会社や、登記した住所で連絡がつかない会社は、経営異常名録〈经营异常名录〉に載ります。
年度報告のうち、従業員の数や売上、利益、納税額は、公示するかどうかを会社が選べるため、公示の内容だけで経営の状態を判断することはできません。
引用元:国家市場監督管理総局|企業信息公示暫行条例(2024年改正)第6条、第8条、第9条、第18条、中国政府網|企業経営異常名録管理弁法第4条、国務院関于批転発展改革委等部門法人和其他組織統一社会信用代碼制度建設総体方案的通知、中国人大網|中華人民共和国公司法(2023年改正)第32条
登録資本の額・実際に払い込まれた額
有限責任会社の登録資本は、株主が払い込むと約束した出資の額で、実際に払い込まれた額とは別のものです。
2024年7月1日に施行された改正会社法〈公司法〉により、有限責任会社の株主は、会社の成立から5年以内に、約束した出資を払い込むことになりました。
2024年6月30日より前に登記した有限責任会社で、残りの払込みの期限が2027年7月1日から数えて5年を超えるものは、2027年6月30日までに5年以内へ短くすることになっています。
有限責任会社は、株主ごとに約束した出資の額と、払い込んだ額、出資の方法と日付を、公示系統で公示します。
株主ごとに公示された払込みの額を、相手が説明した出資者や出資の額と見比べれば、説明どおりの出資があるかを確かめる手がかりになります。
株主の欄に別の会社が載っている場合は、その会社の株主をさらにたどって確かめることになります。
出資や買収の際の調査の内容は、海外デューデリジェンス調査のページでも確認できます。
引用元:中国人大網|中華人民共和国公司法(2023年改正)第40条、第47条、第266条、中国政府網|国務院関于実施《中華人民共和国公司法》注冊資本登記管理制度的規定第2条
裁判所の命令に従っていない会社と経営者
裁判所に命じられた支払いなどを、払えるのに払わなかったり、財産を隠したりした会社や人物は、失信被執行人として、最高人民法院の中国執行信息公開網〈中国执行信息公开网〉で公開されます。
会社が載る場合は、会社名と統一社会信用コードに加えて、法定代表人などの氏名も公開されます。
取引先や、その法定代表人が失信被執行人に載っていれば、代金の支払いや契約の履行が滞るおそれを、契約の前に知ることができます。
引用元:最高人民法院|関于公布失信被執行人名単信息的若干規定第1条、第6条、第7条、中国執行信息公開網改版升級(2018年6月8日)
営業許可証と相手の説明が合っているか
営業許可証〈营业执照〉には、会社名、法定代表人、登録資本、住所、経営範囲、成立の日付、統一社会信用コードなどが記載されます。
相手が説明した事業が、営業許可証の経営範囲に入っていない場合は、その理由を確かめておく必要があります。
会社の印章〈公章〉は、公安機関に届け出た業者が作り、作った業者が印影を公安機関に届け出ます。
印章が届け出たものかを第三者が公安機関で照会するには、その会社などの同意が要るとする地方の案内もあります(江蘇省泰州市公安局)。
契約書の印章だけで判断せず、契約の窓口になる人物が法定代表人と別の人物なら、法定代表人から契約を任されているかを、契約の前に確かめておくことが欠かせません。
引用元:北京市人民政府(国家市場監督管理総局令第52号の掲載)|市場主体登記管理条例実施細則第23条、国家市場監督管理総局|印鋳刻字業暫行管理規則第5条、泰州市人民政府|公章刻制備案に関する公安局の回答(2024年9月27日)
名義だけの会社かどうかを現地で確かめる事項
経営異常名録に載っている会社や、相手が説明する事業の規模に比べて払い込まれた出資の額が少ない会社は、登記した住所で実際に事業を行っているかを確かめる必要があります。
調べられる場合は、探偵が現地で次の事項を確かめます。
- 実際の事務所や工場がどこにあり、人や車両が出入りしているか
- 法定代表人や株主、経営に関わる人物の経歴と、ほかの会社での役職
- 同業者や取引関係者から見た支払いの状況や評判
実際の拠点で人や車両の出入りを確かめれば、相手が説明した事業の規模と見合っているかを判断できます。
住所だけを置いている会社の見分け方は、バーチャルオフィスの会社とフロント企業の違いの記事でも確認できます。
香港の会社を通して取引する場合
中国本土の工場や関連会社との取引で、香港の会社が契約の窓口になっていることがあります。
この場合、契約を結ぶ香港の会社と、製造や出荷を行う中国本土の会社が別になるため、香港の登記と中国本土の公示系統を、それぞれ確かめることになります。
契約の前に、製造や出荷を行う中国本土の会社の名前と統一社会信用コードを相手に聞いておけば、公示系統で調べる会社が決まります。
香港の会社の登記で分かる事項は、香港の企業調査の記事で確認できます。
中国の人材を採用する前の経歴確認
現地法人の管理職や、日本で働く中国の人材を採用する前に、探偵は、本人の同意を得たうえで、申告された学歴や職歴、資格の内容を確認し、申告と食い違う点がないかを報告します。
学歴や職歴の食い違いを採用の前に確かめておけば、経歴を偽った人物に、購買や資金の管理を任せる事態を防ぎやすくなります。
採用候補者の情報を集める際の決まりは、このあとの「中国で人物や会社を調べる際に守る決まり」で確認できます。
現地法人の社員の不正と中国の法律

現地法人で購買や営業を任された社員が、取引先から謝礼を受け取ったり、会社の資金や物を自分のものにしたりして、会社に損害を与えることがあります。
中国の刑法は、こうした行為を、民間の会社の社員の罪として定めています。
ここでは、刑法などで罪になる社員の不正と、労働契約を解除できる場合を確認できます。
職務侵占罪と非国家工作人員受賄罪
中国の刑法第271条の職務侵占罪は、会社の社員が、職務上の立場を利用して、会社の財物を不正に自分のものにした場合の罪で、額が大きい場合は3年以下の懲役などの対象です。
第163条の非国家工作人員受賄罪は、会社の社員が、職務上の立場を利用して取引先などから財物を受け取り、その相手のために便宜を図った場合の罪で、額が大きい場合に罰せられます。
不正な利益を得るために財物を渡した取引先の側も、額が大きければ第164条の罪の対象になります。
2024年3月1日に施行された刑法修正案(十二)では、身内の会社に仕事を回すなど、法律や行政法規に違反して会社に重大な損失を与えた行為の罪が、国有企業だけでなく、民間の会社の役員や社員にも広げられました。
探偵は、購買や営業の担当者が、取引先の誰と、どこで、どのくらいの頻度で会っているかを、調べられる範囲で確認します。
社員と取引先の癒着を立証する証拠については、ビジネスにおける癒着の記事でも確認できます。
引用元:中国人大網|刑法修正案(十一)(第163条、第271条)、刑法修正案(九)(第164条)、刑法修正案(十二)(第165条、第166条、第169条)
取引先からの謝礼と営業秘密の持ち出し
2025年10月15日に施行された改正反不正当競争法〈反不正当竞争法〉は、第8条で、取引の機会や競争上の優位を得るために取引先の社員などに賄賂を渡すことを禁じ、受け取る側も賄賂を受け取ってはならないと明記しました。
社員が賄賂を渡した場合は、原則として会社の行為とみなされ、会社のほか、賄賂に個人として責任がある法定代表人なども罰金の対象になります。
第10条は、盗む、だますなどの不正な手段で営業秘密を手に入れることや、秘密を守る義務に反して使ったり明かしたりすることを禁じています。
社員が顧客の名簿や技術の資料を持ち出し、取引先や競合の会社に渡した事実が分かれば、損害賠償の請求などを、弁護士と具体的に検討できます。
引用元:中国人大網|中華人民共和国反不正当競争法(2025年改正)第8条、第10条、第22条、第24条
重大な規律違反による労働契約の解除
中国の労働契約法第39条で、会社が労働契約を解除できる場合のうち、本記事で扱う社員の不正に関わるのは次の3つです。
- 会社の就業規則に重大な違反をした
- 職務を著しく怠ったり、私利のために不正を行ったりして、会社に重大な損害を与えた
- 法律に基づいて刑事責任を問われた
会社が一方的に労働契約を解除するときは、第43条により、事前にその理由を労働組合〈工会〉に通知する必要があります。
社員がいつ、誰と、何をしたかを記録で確かめておけば、就業規則の重大な違反に当たるかを、解除の前に検討できます。
横領の証拠がそろわないときの進め方は、横領の証拠が不十分なときの記事でも確認できます。
引用元:中国人大網|中華人民共和国労働合同法第39条、第43条
中国で人物や会社を調べる際に守る決まり
2021年11月1日に施行された個人情報保護法は、個人情報を扱うには本人の同意を得ることを原則とし、同意が要らない場合を、本人が当事者となる契約の履行や、法令に沿った就業規則に基づく人事管理、法律上の義務の履行などに限っています。
本人が公開した情報や、すでに適法に公開されている情報は、合理的な範囲で扱えます。
個人情報を中国の国外へ提供するときは、国の安全評価や標準契約などの条件を満たしたうえで、本人から個別の同意を得ることになっています。
2021年9月1日に施行されたデータ安全法は、電子かどうかを問わず情報の記録すべてを「データ」とし、重要なデータを国外へ持ち出す際の決まりも設けています。
日本の会社に渡す報告書に中国の人物の情報が含まれる場合も、こうした国外への提供の決まりが関わります。
2023年7月1日に施行された改正反スパイ法の第4条は、国外の機関や個人が、国家秘密やインテリジェンス〈情报〉のほか、国の安全や利益に関わる文書やデータ、資料、物品を盗む、探る、買い取るなどの行為をスパイ行為に含めていますが、何がそれに当たるかの具体的な範囲は、第4条には書かれていません。
外務省は、2025年7月22日の注意喚起で、中国の統計法が外国人の無許可の統計調査を禁じていることに触れ、活動が「調査」や「情報収集」に当たる可能性がある場合は細心の注意が必要だとしています。
当社は、中国の法令に沿った方法で、調べる事項を取引や採用、処分の判断に要る範囲に事前に絞り、現地での聞き取りや撮影ができるかどうかを、案件ごとに判断します。
引用元:中国人大網|中華人民共和国個人信息保護法第13条、第38条、第39条、中華人民共和国数据安全法第3条、第31条、中華人民共和国反間諜法(2023年改正)第4条、外務省 海外安全ホームページ|中国:中国の「反スパイ法」に関連する注意喚起(2025年7月22日)
中国調査の流れと費用
中国での調査は、現地で対応できる調査員と連携し、調査の目的と、調べられる範囲に応じて方法を決めます。
ここでは、ご依頼から報告書の提出までの手順と、参考料金を確認できます。
ご依頼から報告書の提出まで
最初に、調査の対象となる会社や人物、確認したい事項、不正が疑われる場合は会社が気づいた日と経緯など、判明している範囲の事実をお伺いします。
- ご相談(電話・メール・LINE)
- ヒアリングとお見積り(無料)
- ご契約(調査目的・期間・費用・報告方法を書面で確認)
- 予備調査と本調査
- 調査報告書の提出
ご相談と調査結果のご説明は日本語で行い、現地との連絡や調整をご依頼者が行う必要はありません。
詳しい手順は調査の流れで確認できます。
中国調査の参考料金
取引先などの法人・企業を対象とする調査、採用候補者や社員などの個人を対象とする調査、出資・買収の際の調査の参考料金は、次のとおりです。
- 法人・企業が対象:難易度★ 550,000円(税込)〜、★★ 825,000円(税込)〜、★★★ 1,650,000円(税込)〜
- 個人が対象:難易度★ 330,000円(税込)〜、★★ 550,000円(税込)〜、★★★ 770,000円(税込)〜
- 出資・買収の際の海外デューデリジェンス調査:★ 330,000円(税込)〜、★★ 660,000円(税込)〜、★★★ 1,100,000円(税込)〜
費用は、対象の数、調査の難易度、範囲と深さ、事前に分かっている情報の量によって変わります。
調べたい会社や人物と、知りたい情報をはっきりさせて調査範囲を限定すれば、無駄な費用を避けられます。
参考料金は海外バックグラウンドチェックと海外デューデリジェンス調査のページにも掲載しています。
中国の企業調査でよくある質問
中国の会社の登記では、何が分かりますか?
会社名や法定代表人、有限責任会社の株主と払い込まれた出資の額、経営異常名録への掲載などが分かります。
実際の事業の様子や、経営を左右する人物は登記からは分からないため、現地で確かめることになります。
中国での調査が現地の法律に触れるおそれはありませんか?
そのおそれを避けるため、調べる事項と方法を、中国の法令に沿って契約の前に決めます。
現地での聞き取りや撮影ができるかどうかも含めて、お見積りの前にご確認いただけます。
香港の関連会社も一緒に調べられますか?
はい、ご相談いただけます。
香港の会社は香港の登記で、中国本土の会社は公示系統で確かめることになり、どこまで調べられるかは案件によって異なります。
個人の方の中国での調査は、ファミリー調査事務所の中国の調査ページをご覧ください。
中国の企業調査なら、ご相談ください
取引や出資を検討している相手がいるなら、営業許可証の写しを受け取っておくと、会社名と統一社会信用コードから、調べる相手を取り違えずに特定できます。
当社は、現地の調査員と連携し、中国の法令に沿って範囲を決めたうえで調査し、取引や出資、採用、社員の処分を判断する材料として、報告書でお渡しします。
会社や人物の名前と、判明している事実だけでもご相談いただけます。
ご相談は、秘密を守ったうえで、無料で受け付けています。
24時間受付のフリーダイヤル0120-862-506でも、ご相談をお受けしています。
ご相談とご依頼までの流れ
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まずはフリーダイヤル・お問い合わせメールフォーム・LINEよりお問い合わせ下さい。問題の概要や状況をお聞き致します。
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無料面談にて、電話やメール、LINEにて無料相談頂いた内容の詳細をお聞きし、お手伝い出来る調査やサポートをご提案致します。その際、お見積りをご提示致します。
お見積り内容には、調査期間・調査員数・調査方法・調査報告書の作成費などが含まれています。 -
お見積り金額・調査内容に十分ご納得頂けた場合、委任契約のお手続きに入ります。下記書面に署名捺印をして頂き、契約完了となります。書面には、調査目的・期間・費用の詳細・調査結果の報告方法・個人情報の取り扱いなどが記載されています。
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契約書面を基に予備調査、本調査の順に調査を実施します。その際、随時途中経過をご報告致します。追加調査が必要な場合は、都度ご相談下さい。
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全ての調査終了後、書面もしくはデータにて調査報告書を提出致します。必要に応じて各種専門家のご紹介やアドバイスなどのアフターサービスも行なっております。
お問い合わせ
ご相談は、プライバシー 秘密事項厳守で承ります。














