調査ファイル
香港の企業調査|取引先の実態確認・出資前の調査と現地法人の不正対策

香港の会社と取引や出資を始める前や、現地法人の社員に不正の疑いが出たときに、日本から確かめられるのは、登記や社内の書類に書かれたことまでです。

登記した住所で事業を行っているか、取締役や株主がどのような経歴の人物か、社員が取引先から利益を受け取っていないかは、現地で確かめる必要があります。

確かめないままでいると、実態のない会社に代金や出資金を払い込んだり、社員の不正を裏づける事実がないまま処分を判断したりするおそれがあります。

現地で確かめた事実があれば、取引や出資を進めるかどうかや、社員の処分を、その事実をもとに判断できます。

本記事では、香港の企業調査について、公開の会社検索で分かることと分からないこと、香港の法律で罪になる社員の不正と即時解雇できる場合が分かります。

香港の会社や人物の確認、現地法人の不正に関するご相談を、無料で受け付けています。

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香港の取引先・出資先・採用候補者の確認

香港の会社検索で、登記上の住所・株主・取締役は誰でも有料で見られ、実質的な支配者の登記冊は会社検索に出ず、取締役の自宅住所と身分証の番号の全部は登記局の取締役の索引に載らない

香港の会社の登記は、日本からでも公司註冊處の会社検索で確認できます。

ただ、会社を実質的に支配する人物や、実際に事業を行っている場所は、登記からは分かりません。

ここでは、会社検索で確認できる事項と、登記だけでは分からない会社を見分けるために現地で調べる事項を確認できます。

公司註冊處の会社検索で確認できる事項

香港の会社の登記は、公司註冊處〈Companies Registry〉のe-Services Portalで、登録しなくても検索できます。

会社名の検索は無料で、登記上の住所、株式資本、株主(株式資本のある会社の場合)、取締役、会社秘書などをまとめた会社の概要(Company Particulars Report)の手数料は22香港ドルです。

毎年提出される年次報告書(Annual Return)の写しも、手数料を払えばダウンロードできます。

会社の概要で取締役と株主の名前を確かめておけば、相手が説明した経営者や出資者と一致しているかを、契約の前に照らし合わせられます。

一方、登記局は2022年10月24日から、取締役の索引に、自宅住所と身分証の番号の代わりに、連絡先の住所と番号の一部だけを載せています。

2023年12月27日からは、それより前に提出された書類についても、本人の申請によって、自宅住所と番号の全部を伏せられるようになりました。

自宅住所と番号の全部を見られるのは、本人や本人が委任した人、その会社の株主、弁護士、開業会計士、金融機関など、決められた人に限られます。

引用元:公司註冊處|Obtaining Company Information、Fees、New Inspection Regime

登記に載らない実質的な支配者

香港で設立された会社は、2018年3月1日から、会社を実質的に支配する人物を記した重要控制人登記冊〈Significant Controllers Register〉を、自社で備えることになっています(上場会社は対象外)。

公司條例〈Companies Ordinance〉第653X条により、この登記冊は、登記局の職員や警察、廉政公署などの法執行官の求めに応じて閲覧させるもので、会社検索では確認できません。

会社検索に載る株主が別の会社である場合は、その会社の株主や役員を、さらにたどって確かめることになります。

登記をたどっても経営を左右する人物が見えない場合は、取引先や同業者への聞き取りなど、現地の調査で確かめることになります。

探偵は、取締役や主な株主、経営に関わる人物の経歴と信用、ほかの会社での役職や取引の関係を調べ、出資や取引を判断する材料として報告します。

出資や買収の際の調査の内容は、海外デューデリジェンス調査のページでも確認できます。

引用元:公司註冊處|Significant Controllers Register、香港電子版法例|公司條例(第622章)第653X条

登記上の住所が会社秘書の業者の事務所になっている会社

香港では、会社秘書の業務や登記上の住所の提供を事業として行う業者は、登記官から免許を受ける必要があります。

登記上の住所が会社秘書の業者の事務所であることは、それだけで問題があるとは言えません。

ただし、登記上の住所だけを業者の事務所に置き、香港には事業の拠点を持たない会社もあります。

探偵が現地で調査するのは、主に次の事項です。

  • 実際の事務所や倉庫がどこにあり、人や車両が出入りしているか
  • 取締役や経営に関わる人物の経歴と、ほかの会社での役職
  • 同業者や取引関係者から見た支払いの状況や評判
  • 会社や関係者が関わる訴訟やトラブルの有無

実際の拠点で、出入りする人や車両を曜日や時間帯を変えて確認すれば、相手が説明した事業の規模と見合っているかを判断できます。

住所だけを置いている会社の見分け方は、バーチャルオフィスの会社とフロント企業の違いの記事でも確認できます。

引用元:香港電子版法例|打擊洗錢及恐怖分子資金籌集條例(第615章)第53F条

中国本土の会社が香港の会社を通して取引する場合

香港の会社が、中国本土の工場や関連会社と日本企業との取引の窓口になっていることがあります。

この場合、契約を結ぶ香港の会社と、実際に製造や出荷を行う中国本土の会社が別になるため、香港の登記だけでは、業務を担う会社の実態までは分かりません。

契約の前に、製造や出荷を行う中国本土の会社の名前と所在地を相手に聞いておくと、調べる相手が決まります。

中国本土の会社の登記で分かる事項は、中国の企業調査の記事で確認できます。

香港の人材を採用する前の経歴確認

現地法人の管理職や、日本の本社で働く香港の人材を採用する前に、探偵は、本人が申告した学歴や職歴、資格の内容を確認し、申告と食い違う点がないかを報告します。

学歴や職歴が申告どおりかを採用の前に確かめておけば、入社後に経歴の食い違いが分かる事態を防ぎやすくなります。

人物を調べる際の個人情報の扱いは、このあとの「人物を調べる際に守る個人資料(私隱)條例の決まり」で確認できます。

現地法人の社員の不正と香港の法律

香港の僱傭條例第9条で、予告なしに解雇できる主な場合は、故意の命令違反・職務と相いれない不正行為・詐欺や不誠実な行為・職務の常習的な怠慢。この解雇では遣散費と長期服務金を受け取れない

現地法人で購買や営業を任された社員が、取引先から謝礼を受け取ったり、会社の資金や物を自分のものにしたりして、会社に損害を与えることがあります。

香港では、民間の会社の社員が受け取る賄賂も罪になります。

ここでは、香港の法律で罪になる社員の不正と、社員を即時解雇できる場合を確認できます。

防止賄賂條例と廉政公署

香港の防止賄賂條例〈Prevention of Bribery Ordinance〉第9条により、社員などの代理人が、会社の許可なく、会社の業務に関して利益を求めたり受け取ったりすると罪になり、利益を渡した取引先の側も罪になります。

起訴されて有罪となった場合は、最高で50万香港ドルの罰金と7年の懲役の対象です。

廉政公署〈ICAC〉は、防止賄賂條例の罪にあたる疑いのある行為を捜査する機関で、公務員だけでなく、民間の会社の社員の行為も捜査します。

探偵は、購買や営業の担当者の社外での行動を調査し、取引先の誰と、どこで、どのくらいの頻度で会っているかを確認します。

社員と取引先の癒着を立証する証拠については、ビジネスにおける癒着の記事でも確認できます。

引用元:香港電子版法例|防止賄賂條例(第201章)第9条、第12条、廉政公署|Duties of the Operations Department

横領・窃盗などの社員の不正

会社の資金や物を、不正に自分のものにした社員は、盜竊罪條例〈Theft Ordinance〉第9条の窃盗に当たることがあり、窃盗は最高で10年の懲役の対象です。

利益を得る目的などで、帳簿や伝票を偽って会社の会計をごまかした場合は、第19条の不正な会計(false accounting)として、最高で10年の懲役の対象となります。

探偵は、社員が会社の物を運び出した先や、経費として申告した訪問先に実際に行っているかを調べ、記録と行動の食い違いを報告します。

横領の証拠がそろわないときの進め方は、横領の証拠が不十分なときの記事でも確認できます。

引用元:香港電子版法例|盜竊罪條例(第210章)第9条、第19条

人物を調べる際に守る個人資料(私隱)條例の決まり

香港の個人資料(私隱)條例〈Personal Data (Privacy) Ordinance〉では、個人情報は、適法な目的のために、その目的に必要か直接関係する範囲で、十分だが過度でない量を、適法で公正な方法で集めることになっています(保障資料第1原則)。

調べた個人情報を明かす際にも決まりがあり、2021年10月8日の改正で、本人の同意なく個人情報を明かして本人や家族に害を与える意図があった場合などの罪が加わり、実際に害が生じた場合は、最高で100万香港ドルの罰金と5年の懲役の対象です。

調べる事項を、取引や採用、処分の判断に必要な範囲に絞っておけば、私生活に踏み込まずに、判断に使える事実を得られます。

引用元:香港電子版法例|個人資料(私隱)條例(第486章)第64条、附表1

社員を即時解雇できる場合(僱傭條例)

香港の僱傭條例〈Employment Ordinance〉第9条により、社員が次のような場合に当たるとき、会社は予告も予告に代わる賃金の支払いもせずに、労働契約を終了できます。

  • 合法で合理的な指示に、故意に従わなかった
  • 職務を誠実に果たすことと相いれない不正行為があった
  • 詐欺や不誠実な行為があった
  • 職務を常習的に怠った

このほか、コモンロー(判例法)上、予告なしに契約を解除できる理由がある場合も同じです。

この規定によって解雇された社員は、遣散費(解雇手当)と長期服務金(長期勤続手当)を受け取れません。

社員の不正を日時と行動を記録した事実で確かめておけば、即時解雇の理由に当たるかを、解雇の前に検討できます。

引用元:香港電子版法例|僱傭條例(第57章)第9条、第31D条、第31S条

香港調査の流れと費用

香港の取引先や出資先の確認、現地法人の不正の調査を社内で決裁するには、何を調べて、いくらかかるのかの見通しが要ります。

香港での調査は、現地で対応できる調査員と連携し、調査の目的に応じて方法を決めます。

ここでは、ご依頼から報告書の提出までの手順と、参考料金を確認できます。

ご依頼から報告書の提出まで

最初に、調査の対象となる会社や人物、確認したい事項、不正が疑われる場合は会社が気づいた日と経緯など、判明している範囲の事実をお伺いします。

  • ご相談(電話・メール・LINE)
  • ヒアリングとお見積り(無料)
  • ご契約(調査目的・期間・費用・報告方法を書面で確認)
  • 予備調査と本調査
  • 調査報告書の提出

ご相談と調査結果のご説明は日本語で行い、現地との連絡や調整をご依頼者が行う必要はありません。

詳しい手順は調査の流れで確認できます。

香港調査の参考料金

取引先などの法人・企業を対象とする調査、採用候補者や社員などの個人を対象とする調査、出資・買収の際の調査の参考料金は、次のとおりです。

  • 法人・企業が対象:難易度★ 550,000円(税込)〜、★★ 825,000円(税込)〜、★★★ 1,650,000円(税込)〜
  • 個人が対象:難易度★ 330,000円(税込)〜、★★ 550,000円(税込)〜、★★★ 770,000円(税込)〜
  • 出資・買収の際の海外デューデリジェンス調査:★ 330,000円(税込)〜、★★ 660,000円(税込)〜、★★★ 1,100,000円(税込)〜

費用は、対象の数、調査の難易度、範囲と深さ、事前に分かっている情報の量によって変わります。

調べたい会社や人物と、知りたい情報をはっきりさせて調査範囲を限定すれば、無駄な費用を避けられます。

参考料金は海外バックグラウンドチェックと海外デューデリジェンス調査のページにも掲載しています。

香港の企業調査でよくある質問

登記上の住所が秘書会社でも、会社の実態を確かめられますか?

はい、確かめられます。

登記上の住所とは別に、実際の事務所や倉庫と、取引に関わる人物を現地で調べ、事業を行っている場所と様子を報告します。

中国本土の親会社や関連会社も一緒に調べられますか?

はい、ご相談いただけます。

中国本土の会社をどこまで調べられるかは、案件によって異なります。

香港に現地法人がなくても依頼できますか?

はい、ご依頼いただけます。

日本から香港の会社と取引している場合や、香港の人材を日本で採用する場合も、調査の対象になります。

個人の方の香港での調査は、ファミリー調査事務所の香港の調査ページをご覧ください。

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香港の企業調査なら、ご相談ください

取引や出資を検討しているなら、まず会社の概要で取締役と株主を確認しておけば、現地で確かめる事項を絞り込めます。

当社は、現地の調査員と連携し、聞き取りや行動の確認を中心に調査して、取引や出資、採用、社員の処分を判断する材料として、報告書でお渡しします。

会社や人物の名前と、判明している事実だけでもご相談いただけます。

ご相談は、秘密を守ったうえで、無料で受け付けています。

24時間受付のフリーダイヤル0120-862-506でも、ご相談をお受けしています。

この記事を書いた人
FAM
INVESTIGATION
代表取締役

山内 和也

株式会社FAM Investigation 代表取締役

東京都公安委員会 届出探偵業者 第30210283号

2004年より調査業界に従事し、20年以上にわたり国内外の調査現場に携わる。累計調査件数は3,000件以上。2022年に法人部門の専門窓口を開設し、企業からの調査相談に対応している。

海外はアジア12か国・北米・欧州・南米に調査エリアを持ち、ベトナムとタイに自社拠点を構える。信用調査、トラブル調査、所在確認、行動調査など、国内で完結しない案件にも独自のネットワークで対応する。

世界探偵協会(World Association of Detectives)、国際調査員協議会(Council of International Investigators)加盟。

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