調査ファイル
潜入調査とは?企業が使える場面と違法にならない線引きを解説
社内で不正やサボりの疑いが出たとき、最初に動くのは人事や総務の担当者です。
ところが関係者に聞き取りをしても、返ってくるのは「知りません」「やっていません」ばかりで、現場で何が起きているかだけが分からないまま残ります。
潜入調査は、調査員が対象の現場や組織の内部に入り、外からは見えない実態を確認する調査です。
この記事では、企業が潜入調査を検討する場面、調査で分かることと分からないこと、違法にならないための線引き、依頼したときの進め方を解説します。
潜入調査は、依頼前に目的を1つへ絞り込めているかどうかで結果が変わります。
秘密厳守で対応します。何から手をつけるか迷っている段階でも、無料相談をご利用ください
目次
潜入調査とは、調査員が組織の中に入って実態を確かめる調査
潜入調査とは、調査員が対象の企業や現場の内部に入り、その場でしか確認できない事実を集める調査です。
外部から尾行や張り込みをしても、建物の中や業務のやり取りまでは確認できません。
ここでは、潜入調査で実際におこなうことと、よく混同される調査との違いを整理します。
潜入調査でおこなうこと
調査員は、依頼企業が指定した現場に入り、その場の作業や人の動きを記録します。
確認する対象は、金銭や在庫の扱われ方、指示を出している人物、報告されている勤務実態との差などです。
潜入調査で集めるのは推測ではなく、日時と状況が特定できる記録です。
調査員が入れるのは、依頼企業が管理している場所か、誰でも立ち入れる場所に限られます。
他社の事務所や個人の住居に無断で入ることはできません。
集めた記録は報告書にまとめ、依頼企業が社内処分や法的手続きを判断する材料になります。
潜入捜査・覆面調査との違い
言葉が似ている調査がいくつかあり、目的も実施できる相手も違います。
- 潜入捜査:警察などの捜査機関が、犯罪の捜査としておこなうもの。民間企業が依頼できるものではありません
- 覆面調査(ミステリーショッパー):客を装って店舗を訪れ、接客や店舗運営の質を評価するもの。目的はサービス改善です
- 潜入調査:依頼した企業が、自社の現場や関係先の実態を確認するためにおこなうもの
探偵社がおこなうのは3つ目の潜入調査で、依頼者は調査対象と関係のある企業に限られます。
無関係な第三者の会社を調べる依頼は受けられません。
企業が潜入調査を検討する4つの場面

潜入調査の相談が持ち込まれるのは、社内の記録を見ても事実が確定できない場面です。
情報処理推進機構(IPA)が2026年1月29日に発表した「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの脅威の7位に「内部不正による情報漏えい等」が入っています。
出典:独立行政法人情報処理推進機構「情報セキュリティ10大脅威 2026」(2026年)
建物の外から確認できるのは、対象者が出入りする時間と行き先までです。
ここでは、企業が潜入調査を検討する代表的な4つの場面を紹介します。
現場で不正が起きている疑いがある
売上と在庫が合わない、経費の申請内容と実態がずれている、といった段階で相談が来ます。
帳簿の数字だけを見ても、誰がどう動かしたかまでは追えません。
現場に人を入れると、書類の上では正常に見えていた手順のどこで数字が変わるかを確認できます。
横領の疑いがある場合の初動は、業務上横領の証拠がない時の対処法と水増し請求への対処法でも解説しています。
情報や商品が社外へ流れている
取引先しか知らないはずの条件が競合に伝わっている、在庫が記録より減っている、といった相談です。
アクセスログで持ち出しが確認できるのは、社内システムを経由した場合に限られます。
紙の資料や口頭でのやり取り、私物端末での撮影は、システム側の記録には残りません。
誰が誰と接触しているかを確認するには、現場での記録が必要になります。
システムのログに残らない持ち出しは、人の動きからしか追えません。
報告されている勤務実態と現場が合わない
直行直帰の営業や、本社から離れた事業所で問題になりやすい場面です。
日報上は稼働していることになっているのに、成果だけが上がってこない状態が続きます。
勤務時間中に何をしているかは、本人への確認では事実が確定しません。
関連する対応は、社員が働かないときに会社が取るべき対応と隠れ副業への対応にまとめています。
現場の管理職から実態が上がってこない
ハラスメントや不正の報告が、途中の管理職で止まっているケースです。
本社がアンケートや面談をおこなっても、回答する側は評価者との関係を意識します。
現場の空気そのものを確認するために、外部の調査員が入る判断になります。
社内トラブル全般の調べ方は従業員の素行調査による社内問題の解決で説明しています。
社内調査だけでは実態がつかめなくなる理由

疑いが出た時点では、まず社内で確かめるところから始まります。
ただ、社内で動くこと自体が調査を難しくする場面があります。
ここから、社内調査が行き詰まる3つの理由を見ていきます。
聞き取りを始めた時点で証拠が動く
本人や周囲への聞き取りは、会社が疑っていることを相手に伝える行為でもあります。
データの削除、書類の差し替え、関係者どうしの口裏合わせは、聞き取りのあとに起きます。
証拠を押さえる前に本人へ確認すると、残っていた記録まで失うおそれがあります。
先に事実を固めてから本人に確認する、という順番が崩れないようにする必要があります。
会社にも探偵にも、強制的に調べる権限はない
会社は捜査機関ではないため、私物の提出や端末の中身の確認を強制できません。
これは調査を依頼される側も同じです。
警視庁の「探偵業法の概要」には、探偵業の届出をしても特別な権限が与えられるわけではないことが明記されています。
出典:警視庁「探偵業の業務の適正化に関する法律の概要」
できるのは、正当な方法で確認できる事実を積み上げることだけです。
だからこそ、どこに人を入れれば必要な事実が取れるかという設計で差がつきます。
現場の人間関係が事実をゆがめる
調査を担当する社員も、対象者と同じ社内で働いています。
相手が上司であれば、報告の書き方にためらいが生まれます。
逆に対象者を良く思っていない人物の証言だけが集まると、事実と評価が混ざります。
利害関係のない第三者が記録した事実であれば、社内処分の場でも根拠として扱いやすくなります。
調べ始めたのに結論が出ないままでは、社内に噂だけが残ってしまいます。
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潜入調査でわかること・わからないこと

潜入調査は万能な手段ではありません。
依頼前に範囲を理解しておくと、目的に合う調査方法を選べます。
ここでは、潜入調査で確認できることと、別の手段が必要になることを分けて説明します。
潜入調査でわかること
調査員がその場にいる間に、目で見て確認できる事実が対象です。
- 現場での作業手順と、記録上の手順との違い
- 金銭や在庫が実際にどう扱われているか
- 誰が指示を出し、誰が動いているかという関係
- 報告されている勤務時間と実際の稼働の差
- 社外の人物との接触の有無
たとえば在庫が減っている場合、誰がいつ倉庫に入り、何を持ち出したかまでを記録します。
数字のずれだけでは動けなかった案件でも、人の動きが記録されると社内で判断できる状態になります。
潜入調査が向くのは、書類やデータではなく人の行動そのものを確認したい場面です。
潜入調査ではわからないこと
調査員が入る前に終わってしまった出来事は、その場では確認できません。
- 過去にさかのぼった事実。当時の記録や関係者の証言から追う必要があります
- 会計データや社内システムの中身。社内で権限を持つ部署が確認する領域です
- 対象者の私生活。潜入調査の範囲外で、必要であれば素行調査で扱います
- 本人の動機や内心。行動は記録できても、理由は本人以外に確定できません
取引先の会社そのものを調べたい場合は、探偵興信所による企業調査が対象になります。
相手が反社会的勢力とつながる会社ではないかを確認したい場合は、フロント企業の見分け方もあわせて確認してください。
潜入調査で違法にならないための線引き

潜入調査そのものを禁じる法律はありません。
ただし、調査の方法が他の法律に触れれば、その行為が違法になります。
ここでは、依頼する側が知っておくべき4つの線引きを解説します。
探偵に特別な権限は与えられていない
探偵業は、探偵業の業務の適正化に関する法律(探偵業法)にもとづく届出が必要な業種です。
警視庁の説明では、調査対象者を見張るために近隣住民の敷地へ許可なく入れば、住居侵入罪などが成立するとされています。
届出をした業者であっても、他の法律で禁じられた行為ができるようになるわけではありません。
「探偵なら何でも調べられる」と説明する業者があれば、その説明自体が法律と食い違っています。
調査の方法として認められないこと
依頼を受けても、次のような方法は使えません。
- 許可なく他人の敷地や住居に立ち入る
- 盗聴器やカメラを、権限のない場所に無断で設置する
- 他人のIDやパスワードを使ってシステムにログインする
- 公的機関の職員や資格者を装って情報を聞き出す
- 差別につながる調査項目を収集する
依頼した企業が指示していた場合、企業側の責任が問われることもあります。
調査を始める前に、どの方法を使うのかを契約書と重要事項説明で確認してください。
不正を「起こさせる」調査はしない
調査員が不正を持ちかけて、対象者に実行させる方法は取れません。
そそのかして起こした行為は、対象者を処分する根拠として使えないためです。
確認するのは、調査員がいなくても起きていた事実だけです。
報告書を裁判や労働審判で使う可能性があるなら、この点は依頼前に必ず確認してください。
契約前に依頼する側が確認できること
探偵業を営むには、都道府県公安委員会への届出が必要です。
神奈川県警察の「探偵業の業務の適正化に関する法律」の概要では、契約前に重要事項を書面で交付して説明すること、契約時に調査の内容・期間・方法などを記載した書面を交付することが、業者の義務として示されています。
出典:神奈川県警察「探偵業の業務の適正化に関する法律」の概要
依頼した企業の側も、調査結果を違法な目的に使わない旨の書面を提出します。
書面のやり取りがないまま調査を始めようとする業者は、その時点で法律上の手続きを満たしていません。
依頼先を比べる段階では、金額だけでなく、契約前にどこまで書面で示されるかを確認してください。
集めた情報の扱いにも決まりがある
調査で得た個人情報は、依頼の目的以外に使えません。
報告書を社内で共有する範囲も、あらかじめ決めておく必要があります。
調査対象になった社員が、あとから会社の対応を問題にする場面があるためです。
調査結果をどう扱うかを含めた社内の体制づくりは、リスクマネジメントのページで紹介しています。
潜入調査の進め方と、期間・費用の考え方

潜入調査は、依頼を受けたその日に人を入れる調査ではありません。
目的の絞り込みと調査設計に時間をかけるほど、現場に入る回数を減らせます。
ここでは、相談から報告までの流れを4つの段階で解説します。
1.相談で目的を1つに絞る
最初の相談では、社内で何が起きていて、何を確定させたいのかを整理します。
「不正を止めたい」と「処分の根拠がほしい」では、必要な記録が変わります。
依頼の目的が1つに決まると、調査の範囲と期間も決められます。
分かっている範囲だけで相談できるので、社内の資料が揃っていない段階でも構いません。
2.調査設計を決める
どの現場に、どの立場で、どの時間帯に入るかを決めます。
社内で調査を知っている人の範囲も、この段階で限定します。
設計と同時に見積もりを出すので、費用が確定してから依頼するかどうかを判断できます。
相談から契約までの手順は探偵調査の利用手順で確認できます。
3.潜入と記録
調査員が現場に入り、決めた項目にしぼって事実を記録します。
記録は日時と状況が分かる形で残すので、あとから第三者が確認できます。
途中で状況が変わった場合は、依頼企業の担当者へ報告したうえで方針を調整します。
4.報告書の受け取りと社内対応
調査が終わると、確認できた事実をまとめた報告書を受け取ります。
報告書は、本人への事実確認、社内処分、法的手続きのいずれにも使えます。
処分の可否は事実が固まってから判断する順番になるため、報告書を受け取ってからが社内対応の起点です。
解雇まで検討する場合は、社員を解雇できる条件と問題社員を解雇する方法もあわせて確認してください。
期間と費用の考え方
費用は、現場に入る回数と拘束時間、調査員の人数で決まります。
期間は対象の勤務形態によって変わるため、相談の段階で確認する項目です。
毎日起きている行為であれば短期間で記録できますが、月に一度の作業日にしか起きない行為であれば、その日に合わせて現場に入ります。
調査プランごとの考え方は調査料金の比較と調査プランに掲載しています。
見積もりの内容を確認してから依頼を決められるため、費用が分からないまま調査が始まることはありません。
失敗する潜入調査に共通する3つのこと
潜入調査は、始め方を間違えると事実が取れないまま終わります。
調査の腕前より、依頼する前の決め方でつまずきます。
ここでは、うまくいかなかった案件に共通する3点を紹介します。
目的が「全体的に見てほしい」で広い
調査項目が広いほど、現場に入る回数と費用が増えます。
それでいて、どの記録も決め手にならないまま終わることがあります。
先に「何が確認できたら社内で動けるか」を決めておくと、調査の範囲を絞り込めます。
社内で調査を知っている人が多い
調査の話が現場に伝わると、対象者の行動が変わります。
知っている人が増えるほど、伝わる可能性は上がります。
調査を共有する範囲は、決裁に必要な人だけに限定してください。
自社の社員に調べさせる
社員が調査に動くと、顔を知られている分だけ警戒されます。
警戒された後は、外部の調査員が入っても記録が取りにくくなります。
調査の担当者が対象者と同じ部署にいる場合は、社内で動く前に方法を相談してください。
潜入調査と、他の調べ方の使い分け
社内の記録やログで足りるケース
社内システムを経由した操作であれば、アクセスログと入退室記録で追えます。
対象者が特定できていて、行為がデータ上に残っている場合は、まず社内の記録を確認してください。
記録で足りる案件に潜入調査を使う必要はありません。
素行調査が向くケース
潜入調査でないと届かないケース
建物の中で完結している行為は、外からの調査では確認できません。
現金の受け渡し、在庫の持ち出し、口頭での指示などが該当します。
対象が場所ではなく、その場でのやり取りであれば、潜入調査を検討する段階です。
判断がつかない場合は、社内で確認できたところまでを伝えていただければ、どの方法が合うかを一緒に整理します。
調査項目ごとの内容は潜入調査のサービスページに掲載しています。
潜入調査についてよくある質問
相談の前に確認されることの多い質問をまとめました。
相談の段階で費用が発生することはありません。
費用はどのように決まりますか?
調査にはどのくらいの期間がかかりますか?
対象者の勤務形態と、確認したい事実の内容で変わります。
特定の曜日にしか起きない行為であれば、その回数だけ現場に入る形になります。
相談の段階で、想定される期間の目安をお伝えします。
社内の人間に調査を知られませんか?
調査の情報を共有する範囲は、依頼企業と相談して決めます。
連絡方法や連絡先も、担当者が指定した形に合わせます。
秘密厳守で対応します。
相談だけでも受けてもらえますか?
相談だけで終わる企業もあります。
社内の記録で足りる案件であれば、その旨をお伝えします。
分かっている範囲だけで相談できるため、資料が揃っていない段階でも問題ありません。
潜入調査を検討しているなら、ご相談ください
潜入調査は、社内の記録では届かない現場のやり取りを確認するための調査です。
最後に、この記事の要点を振り返ります。
- 潜入調査とは、調査員が現場の内部に入り、外からは見えない事実を記録する調査
- 検討する場面は、現場の不正、情報や商品の流出、勤務実態のずれ、管理職から実態が上がらない状態の4つ
- 社内で聞き取りを始めると、そのあとに記録の削除や口裏合わせが起きる
- 会社にも探偵にも、強制的に調べる権限はない
- 住居侵入や無断の盗聴、不正をそそのかす方法は使えない
- 目的を1つに絞り、社内で知る人を限定するほど結果が出やすい
社内で動くべきか外部に任せるべきか迷っている段階でも、状況を整理するところからお手伝いできます。
24時間受付のフリーダイヤル0120-862-506まで、お気軽にお電話ください。
ご相談とご依頼までの流れ
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まずはフリーダイヤル・お問い合わせメールフォーム・LINEよりお問い合わせ下さい。問題の概要や状況をお聞き致します。
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無料面談にて、電話やメール、LINEにて無料相談頂いた内容の詳細をお聞きし、お手伝い出来る調査やサポートをご提案致します。その際、お見積りをご提示致します。
お見積り内容には、調査期間・調査員数・調査方法・調査報告書の作成費などが含まれています。 -
お見積り金額・調査内容に十分ご納得頂けた場合、委任契約のお手続きに入ります。下記書面に署名捺印をして頂き、契約完了となります。書面には、調査目的・期間・費用の詳細・調査結果の報告方法・個人情報の取り扱いなどが記載されています。
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契約書面を基に予備調査、本調査の順に調査を実施します。その際、随時途中経過をご報告致します。追加調査が必要な場合は、都度ご相談下さい。
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全ての調査終了後、書面もしくはデータにて調査報告書を提出致します。必要に応じて各種専門家のご紹介やアドバイスなどのアフターサービスも行なっております。
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