調査ファイル
インドの企業調査|取引先・提携先の実態確認と現地法人の不正対策
インドでは、2024年7月に刑法が新しい法律に置き換わり、2025年11月には29の労働法が4つの労働法典にまとめられ、社員の不正に当てはまる条文も変わっています。
取引先や提携先の会社は、企業省(MCA)の登録やGSTの登録番号で、登録の状態を確かめられます。
ただ、登録の住所や工場で実際に事業を行っているかは、登録からは分かりません。
現地で工場の稼働や社員の行動を探偵が確かめれば、取引を始めるか続けるかや、社員を処分するかどうかを、確かめた事実で判断できます。
本記事では、インドの企業調査について、企業省(MCA)の登録とGSTの番号で分かること、新しい刑法と労働法典で社員の不正に当てはまる条文と処分の手続き、人物を調べる際に守る決まりが分かります。
インドの会社や人物の確認、現地法人の不正に関するご相談を、無料で受け付けています。
インドの取引先・提携先・採用候補者の確認

日系企業の拠点は、2024年10月時点で5,205拠点あり、マハーラーシュトラ州や、首都圏近郊のハリヤナ州・デリー準州、南部のタミル・ナド州・カルナータカ州に多く置かれています。
インドの取引先を確かめるときは、会社の登録を企業省(MCA)で、税の登録をGSTのサイトで、裁判の記録をeCourtsで、それぞれ調べることになります。
ここでは、それぞれで確かめられる事項と、そのうえで現地で確かめる事項を確認できます。
企業省(MCA)の登録で確認できる事項
インドの会社は、企業省〈Ministry of Corporate Affairs〉のサイトで、会社名や会社の識別番号(CIN)、取締役の名前や番号(DIN)から検索できます。
会社法〈Companies Act, 2013〉第399条により、登記官が保管する会社の届出書類は、手数料を払えば誰でも電子的に閲覧でき、第81条により、会社の財産に付けられた担保の登記簿も閲覧できます。
企業省のサイトでは、会社の状態を確かめられるほか、登記抹消の手続き中の会社や、資格を失った取締役の一覧も設けられています。
相手の会社が登記抹消の手続き中でないかや、担保がどれだけ付いているかを契約の前に確かめておけば、支払いが滞るおそれのある相手を見分ける手がかりになります。
ただし、届出書類を閲覧するサービス(View Public Documents)は、2027年1月31日まで、インド時間の午前10時から午後6時まで使えないと企業省のサイトで告知されています(2026年11月3日時点)。
引用元:在インド日本国大使館・ジェトロ|インド進出日系企業リスト(2024年10月時点)
引用元:国家会社法審判所(NCLT)|The Companies Act, 2013第81条、第399条、企業省|Ministry of Corporate Affairs
GST登録番号で確かめる取引先の請求書
インドで物品・サービス税(GST)に登録した事業者は、登録番号(GSTIN)を持っています。
GSTの公式サイトの「Search Taxpayer」では、登録番号から、事業者の法的な商号、登録日、事業形態、登録の状態、主たる事業所、扱う商品やサービスを検索できます。
請求書に登録番号が書かれていれば、検索で出てきた商号と主たる事業所が契約書の相手と一致しているかを確かめることで、別の事業者の番号を使った請求に気づく手がかりになります。
引用元:GST Network|Search Taxpayer
eCourtsで調べる取引先の裁判の記録
インドの地方裁判所と高等裁判所の事件は、最高裁判所の電子化委員会が運営するeCourts〈e-Courts Services〉で、事件番号のほか、当事者の名前でも検索でき、事件の状況や経過も表示されます。
取引先や、その取締役が当事者になっている事件を契約の前に確かめておけば、支払いをめぐる争いを抱えた相手かどうかを判断する材料になります。
ただし、eCourtsで全国すべての裁判所の事件が検索できるとは限らず、見つからないことが、争いがないことを意味するわけではありません。
引用元:E-Committee, Supreme Court of India|District Courts Services、High Court Services
名義だけの会社と名義だけの取締役
インドの会社法には、事業の実体がない会社(shell company)の定義はありません。
インド政府は、実際の事業活動や重要な資産がない会社を指す言葉だと説明し、脱税や資金洗浄、所有者を隠すことなどに使われる場合があるとしています。
企業省は、直前の2事業年度に事業を行っていない会社などの登記を抹消しており、2018年から2021年6月までに、事業の実体がない会社として238,223社の登記を抹消しました。
取締役は、3事業年度ごとに本人の情報を企業省に届け出ることになっていて、届け出ないと取締役の番号(DIN)が無効になり、企業省のサイトには資格を失った取締役の一覧も設けられています。
取締役の名前や番号を検索して、ほかの会社での役職や、資格を失った取締役に当たらないかを確かめたうえで、現地で経営への関わりを調べれば、名前を貸しているだけの取締役かどうかを判断する材料になります。
シンガポールやドバイの会社を通してインドの会社と取引する場合は、契約の相手と、実際に製造や出荷を行うインドの会社が別になることがあるため、それぞれの国で登録を確かめることになります。
それぞれの国で調べられる事項は、シンガポールとドバイの企業調査の記事で確認できます。
引用元:インド政府報道局(PIB)|2022年3月15日 上院への書面答弁、2021年7月27日、企業省|DIR-3 KYC FAQ
地方の工場や仕入先の実在確認
登録の住所と工場の所在地が違う会社や、登録の住所に事務所が見当たらない会社は、探偵が、調べられる範囲で次の事項を確かめます。
- 工場や事務所がどこにあるか
- 取締役や経営に関わる人物の経歴と、ほかの会社での役職
- 同業者や取引関係者から見た支払いの状況や評判
工場で人や車両の出入りを確かめれば、相手が説明した生産の規模と見合っているかを判断する材料になります。
住所だけを置いている会社の見分け方は、バーチャルオフィスの会社とフロント企業の違いの記事でも確認できます。
インドの人材を採用する前の経歴確認
現地法人の管理職や、日本で働くインドの人材を採用する前には、ご依頼の会社が本人の同意を得たうえで、探偵が、申告された学歴や職歴、資格の内容を確認します。
申告と食い違う点があれば、報告書で確認できます。
学歴や職歴の食い違いを採用の前に確かめておけば、経歴を偽った人物に、購買や資金の管理を任せる事態を防ぎやすくなります。
採用候補者の情報を集める際の決まりは、このあとの「インドで人物を調べる際に守る決まり」で確認できます。
出資や買収の際の調査の内容は、海外デューデリジェンス調査のページでも確認できます。
現地法人の社員の不正とインドの法律

現地法人の社員の不正に当てはまる刑法の条文は、それぞれの行為が2024年7月1日の前か後かによって変わり、処分の手続きは、事業所の規模や社員の立場によって変わります。
ここでは、新しい刑法で当てはまる条文と、労働法典で決まっている処分の手続きを確認できます。
2024年7月から新しい刑法(BNS)で社員の横領に当たる条文
インドでは、2024年7月1日にインド司法法典〈Bharatiya Nyaya Sanhita, 2023〉が施行され、インド刑法典(IPC)は廃止されました。
会社から預かった財産を、使用人として働く社員が不正に自分のものにした場合は、第316条(4)の criminal breach of trust(預かった財産の横領)に当たり、7年以下の拘禁と罰金の対象です。
インドの代理店や仲介業者が、業務で預かった代金などを流用した場合は、第316条(5)により、終身または10年以下の拘禁と罰金の対象になります。
2024年6月30日以前の行為には、引き続きインド刑法典(第405条から第409条)が適用されるため、不正が長く続いている場合は、行為の時期によって当てはまる条文が変わります。
探偵は、社員が会社の物をどこへ運び出しているかや、経費として申告した訪問先に実際に行っているかを調べ、記録と行動の食い違いを報告します。
横領の証拠がそろわないときの進め方は、横領の証拠が不十分なときの記事でも確認できます。
引用元:国家犯罪記録局(NCRB)|Bharatiya Nyaya Sanhita, 2023第316条、第358条、施行の官報告示
購買や仕入れのキックバック
購買や仕入れの担当者が、特定の仕入先を選ぶ見返りに謝礼を受け取っていると、会社は、価格や品質を比べずに選ばれた仕入先との取引を続けることになりかねません。
探偵は、購買の担当者が、仕入先の誰と、どこで、どのくらいの頻度で会っているかを、調べられる範囲で確認します。
社員と取引先の癒着を立証する証拠については、ビジネスにおける癒着の記事でも確認できます。
また、許認可などを得るために公務員に渡す謝礼は、汚職防止法〈Prevention of Corruption Act, 1988〉の2018年の改正で、渡した側と、それを行った企業も処罰の対象になりました。
引用元:インド議会事務局|The Journal of Parliamentary Information(2018年12月)、インド政府報道局(PIB)|2018年7月25日
社員を処分するときの労使関係法典
インドでは、29の労働法をまとめた4つの労働法典が2025年11月21日に施行され、労働争議法〈Industrial Disputes Act, 1947〉や就業規則法〈Industrial Employment (Standing Orders) Act, 1946〉は、同じ日から廃止されました。
ただし労働雇用省は、移行の間は従来の労働法の関係する規定と規則・告示が引き続き効力を持つと発表しています(2025年11月21日)。
労使関係法典〈Industrial Relations Code, 2020〉では、労働者が300人以上の事業所は、非行による停職や解雇と、非行に当たる行為を、就業規則で定めることになっています。
この300人以上の事業所で、非行の疑いで労働者(worker)を停職にして調査する場合は、調査を原則として停職から90日以内に終え、停職中も最初の90日は賃金の50%を手当として払います。
300人未満の事業所には、この就業規則の章は当てはまりません。
ただし、労使関係法典の労働者には、主に管理や運営の仕事をする人や、月1万8,000ルピー(中央政府が告示で変えられる額)を超える賃金の監督職は含まれないため、管理職の処分にはこの手続きが当てはまらない場合があります。
停職の前に、社員がいつ、誰と、何をしたかを記録で確かめておけば、停職後の調査を、確かめた事実をもとに進められます。
引用元:インド政府報道局(PIB)|2025年11月21日 労働雇用省、労働雇用省|Industrial Relations Code, 2020第2条、第28条、第38条、第1附則、The Industrial Relations Code (Amendment) Act, 2026
インドで人物を調べる際に守る決まり
インドのデジタル個人データ保護法〈Digital Personal Data Protection Act, 2023〉は、本人の同意がある場合か、法律が定める正当な利用の場合に限って、個人データを扱えるとしています。
正当な利用には、雇用の目的や、企業スパイの防止、営業秘密の保持など、雇用主を損失から守る目的が含まれます。
ただし、同意や正当な利用を定めた条文は、2025年11月の官報告示の日から18か月後(2027年5月中旬の予定)に施行されることになっており、2026年11月の時点ではまだ施行されていません。
当社は、施行の前後を問わず、調べる事項を取引や採用、処分の判断に要る範囲に事前に絞り、インドの法令に沿った方法で調査します。
引用元:電子情報技術省(MeitY)|Digital Personal Data Protection Act, 2023第4条、第7条、施行の官報告示(2025年11月)
インド調査の流れと費用
インドでの調査は、現地で対応できる調査員と連携し、調査の目的と、調べられる範囲に応じて方法を決めます。
ここでは、ご依頼から報告書の提出までの手順と、参考料金を確認できます。
ご依頼から報告書の提出まで
最初に、調査の対象となる会社や人物、確認したい事項、不正が疑われる場合は会社が気づいた日と経緯など、判明している範囲の事実をお伺いします。
- ご相談(電話・メール・LINE)
- ヒアリングとお見積り(無料)
- ご契約(調査目的・期間・費用・報告方法を書面で確認)
- 予備調査と本調査
- 調査報告書の提出
ご相談と調査結果のご説明は日本語で行い、現地との連絡や調整をご依頼者が行う必要はありません。
詳しい手順は調査の流れで確認できます。
インド調査の参考料金
取引先などの法人・企業を対象とする調査、採用候補者や社員などの個人を対象とする調査、出資・買収の際の調査の参考料金は、次のとおりです。
- 法人・企業が対象:難易度★ 550,000円(税込)〜、★★ 825,000円(税込)〜、★★★ 1,650,000円(税込)〜
- 個人が対象:難易度★ 330,000円(税込)〜、★★ 550,000円(税込)〜、★★★ 770,000円(税込)〜
- 出資・買収の際の海外デューデリジェンス調査:★ 330,000円(税込)〜、★★ 660,000円(税込)〜、★★★ 1,100,000円(税込)〜
費用は、対象の数、調査の難易度、範囲と深さ、事前に分かっている情報の量によって変わります。
調べたい会社や人物と、知りたい情報をはっきりさせて調査範囲を限定すれば、無駄な費用を避けられます。
参考料金は海外バックグラウンドチェックと海外デューデリジェンス調査のページにも掲載しています。
インドの企業調査でよくある質問
インドの会社の登記は日本から確認できますか?
はい、企業省(MCA)のサイトで、会社名や会社の識別番号から検索できます。
届出書類の閲覧には手数料がかかり、2027年1月31日までは、インド時間の午前10時から午後6時まで使えないと告知されています。
地方の工場や仕入先も調べられますか?
はい、ご相談いただけます。
現地で対応できる調査員と連携し、調べられる範囲で、工場や仕入先の所在地で事業を行っている様子を確かめます。
インドに現地法人がなくても依頼できますか?
はい、ご依頼いただけます。
日本からインドの会社と取引している場合や、インドの人材を日本で採用する場合も、調査の対象になります。
個人の方のインドでの調査は、ファミリー調査事務所のインドの調査ページをご覧ください。
インドの企業調査なら、ご相談ください
取引先や提携先の候補がいるなら、見積書や会社案内に書かれた会社の識別番号(CIN)やGSTの登録番号を控えておくと、調べる相手を取り違えずに特定できます。
現地法人の社員の不正を疑っているなら、それぞれの行為がいつ行われたかを書き留めておくと、旧刑法と新しい刑法のどちらが当てはまるかを確かめられます。
当社は、現地の調査員と連携し、インドの法令に沿って範囲を決めたうえで調査し、取引や提携、採用、社員の処分を判断する材料として、報告書でお渡しします。
会社や人物の名前と、判明している事実だけでもご相談いただけます。
ご相談は、秘密を守ったうえで、無料で受け付けています。
24時間受付のフリーダイヤル0120-862-506でも、ご相談をお受けしています。
ご相談とご依頼までの流れ
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まずはフリーダイヤル・お問い合わせメールフォーム・LINEよりお問い合わせ下さい。問題の概要や状況をお聞き致します。
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無料面談にて、電話やメール、LINEにて無料相談頂いた内容の詳細をお聞きし、お手伝い出来る調査やサポートをご提案致します。その際、お見積りをご提示致します。
お見積り内容には、調査期間・調査員数・調査方法・調査報告書の作成費などが含まれています。 -
お見積り金額・調査内容に十分ご納得頂けた場合、委任契約のお手続きに入ります。下記書面に署名捺印をして頂き、契約完了となります。書面には、調査目的・期間・費用の詳細・調査結果の報告方法・個人情報の取り扱いなどが記載されています。
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契約書面を基に予備調査、本調査の順に調査を実施します。その際、随時途中経過をご報告致します。追加調査が必要な場合は、都度ご相談下さい。
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全ての調査終了後、書面もしくはデータにて調査報告書を提出致します。必要に応じて各種専門家のご紹介やアドバイスなどのアフターサービスも行なっております。
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ご相談は、プライバシー 秘密事項厳守で承ります。














