調査ファイル
インドネシアの企業調査|取引先・合弁相手の確認と現地法人の不正対策

インドネシアの合弁相手や取引先、現地法人の社員を、届け出られた書類と相手の説明だけで判断すると、名義だけの株主や、仕入先から見返りを受け取っている社員に気づけないことがあります。

探偵が現地で、事務所や工場で誰が指示を出しているかや、購買の担当者が仕入先の誰といつ会っているかを確かめれば、合弁や取引を進めるか、社員を処分するかを、その事実をもとに決められます。

本記事では、インドネシアの企業調査について、名義だけの株主を見分ける手がかり、社員の横領に当てはまる新しい刑法の条文、解雇の手続きが分かります。

インドネシアの会社や人物の確認、現地法人の不正に関するご相談を、無料で受け付けています。

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インドネシアの取引先・合弁相手・採用候補者の確認

届け出の名前だけでは、会社を動かす人は分からない。届け出られた書類で分かるのは、会社が法務省に届け出た内容、会社が定めた実質的支配者、事業者番号(NIB)と許可の書類。誰が実際に指示を出しているか、事務所や工場が動いているか、社員と仕入先との関係は現地で確かめる

合弁や代理店の契約を結ぶ前に相手を確かめる材料は、相手が出した会社案内と、インドネシアの役所に届け出られた会社の情報です。

届け出られた株主や役員の名前は、その会社を実際に誰が動かしているかまでは表していません。

ここでは、法務省の会社データの取得と、名義だけの株主を見分ける手がかりを確認できます。

法務省(AHU)の会社データと取得の料金

インドネシアの会社のデータは、法務省〈Kementerian Hukum、2024年の再編までは法務人権省〉のシステムAHU〈Administrasi Hukum Umum〉から有料で取得できます。

2026年8月1日に施行された政令〈PP 30/2026〉では、1社分の全データの取得が50万ルピア、最後に変更された内容のデータの取得が10万ルピアと定められています。

会社データのほかに、取引先が示す事業者番号NIB〈Nomor Induk Berusaha〉や事業の許可の書類も、相手を確かめる材料になります。

受け取った書類に書かれた会社名が、会社データや契約書の相手と一致しているかを照らし合わせると、別の会社の書類を使った説明に気づく手がかりになります。

引用元:BPK法令データベース|PP No. 30 Tahun 2026別表、Perpres No. 155 Tahun 2024

実質的支配者の定めと、書類だけでは分からないこと

インドネシアの会社は、最終的に会社を所有したり支配したりしている人物を、実質的支配者〈Pemilik Manfaat〉として定めることになっています。

大統領令〈Perpres 13/2018〉第29条は、誰でも所管の機関に実質的支配者の情報を求めることができるとし、その手続きは情報公開の法令に従うと定めています。

ただ、ここで示される実質的支配者は、会社が自分で定めた人物です。

名義だけの株主を立てている会社では、実質的支配者も名義の側にそろえていることが考えられるため、届け出られた名前と、現地で実際に指示を出している人物が一致するかを確かめる必要があります。

引用元:BPK法令データベース|Perpres No. 13 Tahun 2018第29条、Permenkum No. 2 Tahun 2025

合弁相手の名義だけの株主と投資法

合弁相手が、実際の持ち主の代わりに別の人物の名義で株式を持たせていると、契約書の持ち分どおりに利益が分けられず、経営の決定にも関われないおそれがあります。

投資法〈2007年法律第25号〉は、こうした他人のために自分の名義で株式を持つ合意や宣言を禁じ、法律上無効になると定めています。

ただ、名義を貸した人物も届け出の上では株主のため、書類だけでは見分けられません。

名義だけの株主かどうかを見分ける手がかりは、次のとおりです。

  • 株主や役員として届け出られた人物が、事務所や工場で実際に指示を出しているか
  • 出資金を誰が用意したか
  • その人物が、ほかにどの会社で株主や役員になっているか

探偵は、届け出られた株主や役員の経歴と、事務所や工場で実際に指示を出している人物を現地で調べ、書類の名前と食い違う点を報告します。

出資や買収の際の調査の内容は、海外デューデリジェンス調査のページでも確認できます。

引用元:BPK法令データベース|UU No. 25 Tahun 2007

合弁相手・代理店・販売店について現地で調べる事項

合弁相手や代理店が、会社案内に書いた販売網や倉庫を実際に持っているかを確かめておけば、任せる地域や取引の条件を、その事実をもとに決められます。

探偵は、調べられる範囲で、次の事項を確かめます。

  • 事務所・工場・倉庫がどこにあり、稼働しているか
  • 代表者や役員の経歴と、ほかの会社での役職
  • 同業者や取引関係者から見た支払いの状況や評判

倉庫や工場で人や車両の出入りを確かめれば、相手が説明した取引の規模と見合っているかを判断する材料になります。

住所だけを置いている会社の見分け方は、バーチャルオフィスの会社とフロント企業の違いの記事でも確認できます。

代理店や販売店が、シンガポールやマレーシアの会社を通してインドネシアの会社と取引している場合は、契約の相手と、実際に製造や出荷を行う会社が別になることがあるため、それぞれの国で会社の情報を確かめておくと、取引の相手を取り違えずに済みます。

それぞれの国で調べられる事項は、シンガポールとマレーシアの企業調査の記事で確認できます。

インドネシアの人材を採用する前の経歴確認

現地法人の管理職や、日本で働くインドネシアの人材を採用する前には、ご依頼の会社が本人の同意を得たうえで、探偵が、申告された学歴や職歴、資格の内容を確認し、食い違う点を報告します。

学歴や職歴の食い違いを採用の前に確かめておけば、経歴を偽った人物に、購買や資金の管理を任せる事態を防ぎやすくなります。

採用候補者の情報を集める際の決まりは、このあとの「インドネシアで人物を調べる際に守る決まり」で確認できます。

現地法人の社員の不正とインドネシアの法律

解雇の手順は2つで、違反が急を要するかで分かれる:警告書を1回目から3回目まで順に出し、解雇の14営業日前までに書面で通知して解雇するか、雇用契約や就業規則などに定めた急を要する違反なら事前の通知なしに解雇する。社員が通知を拒んだら二者協議、合意できなければ労使紛争の手続きへ

現地法人の社員の横領やキックバックに気づいたら、罪に問えるかは刑法や贈賄法で、解雇できるかは労働の政令で決まります。

解雇の手順は、警告書を3回出すか、就業規則などに定めた急を要する違反に当たるかで分かれます。

ここでは、横領やキックバックに当たる法律の条文と、解雇の手続きを確認できます。

2026年1月に施行された新しい刑法の横領

インドネシアの新しい刑法〈2023年法律第1号〉は、2026年1月2日に施行されました。

自分が持っている他人の物を不正に自分のものにする横領〈penggelapan〉は第486条に定められ、4年以下の拘禁刑または罰金の対象です。

雇用関係や職業、報酬を受けていることによって持っている物を横領した場合は第488条に定められ、5年以下の拘禁刑などの対象になり、社員が会社の物や代金を流用した場合が当たることがあります。

探偵は、社員が会社の物をどこへ運び出しているかや、経費として申告した訪問先に実際に行っているかを調べ、記録と行動の食い違いを報告します。

横領の証拠がそろわないときの進め方は、横領の証拠が不十分なときの記事でも確認できます。

引用元:BPK法令データベース|UU No. 1 Tahun 2023第486条、第488条

購買や仕入れのキックバック

購買や仕入れの担当者が、特定の仕入先を選ぶ見返りに謝礼を受け取っていると、会社は、価格や品質を比べずに選ばれた仕入先との取引を続けることになりかねません。

こうした謝礼について、インドネシアの贈賄法〈1980年法律第11号〉は、相手を公務員に限らず、謝礼を贈った側(第2条)も受け取った側(第3条)も処罰の対象としています。

ただし、どちらも公共の利益にかかわる権限や義務に反することをさせる場合に限られ、民間どうしの謝礼がすべて当たるわけではありません。

当たるかどうかを見極める前提として、探偵が、購買の担当者が仕入先の誰と、どこで、どのくらいの頻度で会っているかを確かめます。

確かめた面会の事実をもとに、謝礼のやり取りが贈賄法の処罰の対象に当たるかを現地の弁護士に相談すれば、刑事の手続きを取るか、社内の処分にとどめるかを決められます。

社員と取引先の癒着を立証する証拠については、ビジネスにおける癒着の記事でも確認できます。

引用元:BPK法令データベース|UU No. 11 Tahun 1980第2条、第3条

社員を解雇するときの警告書と就業規則

インドネシアの解雇の手続きは、雇用創出法の政令〈PP 35/2021〉に定められています。

社員が雇用契約や就業規則、労働協約の定めに違反した場合は、1回目から3回目までの警告書を順に出したあとで、解雇できます(第52条第1項)。

この場合は、解雇の14営業日前までに、書面で解雇を通知します(第37条第3項)。

社員が解雇の通知を拒んだときは、会社と社員の二者で協議し、合意できなければ労使紛争の解決手続きに進みます(第39条)。

一方、違反が急を要するもので、その行為が雇用契約や就業規則、労働協約に定めてある場合は、事前に解雇の通知を出さずに解雇できます(第52条第2項・第3項)。

そのため、解雇の前に、自社の就業規則にその行為が定めてあるかと、社員がいつ何をしたかの記録をそろえておく必要があります。

解雇の手続きは法令の改正で変わることがあるので、実際に解雇する前に、その時点の手続きを現地の弁護士に確かめておくと、手続きの誤りで争いになるのを避けやすくなります。

引用元:BPK法令データベース|PP No. 35 Tahun 2021第37条、第39条、第52条

インドネシアで人物を調べる際に守る決まり

インドネシアの個人データ保護法〈2022年法律第27号〉は2022年10月17日に施行され、事業者が法律に合わせるための2年の期間は2024年10月17日に終わりました。

個人データを扱えるのは、本人の同意、契約の履行、法律上の義務、重大な利益の保護、公共の任務、そのほかの正当な利益のいずれかに当たる場合です(第20条第2項)。

この決まりがあるため、当社は、調べる事項を取引や採用、処分の判断に要る範囲に事前に絞り、インドネシアの法令に沿った方法で調査します。

引用元:BPK法令データベース|UU No. 27 Tahun 2022第20条、第74条

インドネシア調査の流れと費用

インドネシアでの調査は、現地で対応できる調査員と連携し、調査の目的と、調べられる範囲に応じて方法を決めます。

ここでは、ご依頼から報告書の提出までの手順と、参考料金を確認できます。

ご依頼から報告書の提出まで

最初に、調査の対象となる会社や人物、確認したい事項、不正が疑われる場合は会社が気づいた日と経緯など、判明している範囲の事実をお伺いします。

  • ご相談(電話・メール・LINE)
  • ヒアリングとお見積り(無料)
  • ご契約(調査目的・期間・費用・報告方法を書面で確認)
  • 予備調査と本調査
  • 調査報告書の提出

ご相談と調査結果のご説明は日本語で行い、現地との連絡や調整をご依頼者が行う必要はありません。

詳しい手順は調査の流れで確認できます。

インドネシア調査の参考料金

取引先などの法人・企業を対象とする調査、採用候補者や社員などの個人を対象とする調査、出資・買収の際の調査の参考料金は、次のとおりです。

  • 法人・企業が対象:難易度★ 550,000円(税込)〜、★★ 825,000円(税込)〜、★★★ 1,650,000円(税込)〜
  • 個人が対象:難易度★ 330,000円(税込)〜、★★ 550,000円(税込)〜、★★★ 770,000円(税込)〜
  • 出資・買収の際の海外デューデリジェンス調査:★ 330,000円(税込)〜、★★ 660,000円(税込)〜、★★★ 1,100,000円(税込)〜

費用は、対象の数、調査の難易度、範囲と深さ、事前に分かっている情報の量によって変わります。

調べたい会社や人物と、知りたい情報をはっきりさせて調査範囲を限定すれば、無駄な費用を避けられます。

参考料金は海外バックグラウンドチェックと海外デューデリジェンス調査のページにも掲載しています。

インドネシアの企業調査でよくある質問

合弁相手を実際に動かしている人物を調べられますか?

はい、調べられる範囲で確かめます。

株主や役員として届け出られた人物と、現地で指示を出している人物が食い違う点を、報告書でお渡しします。

ジャカルタ以外の工場や取引先も調べられますか?

はい、ご相談いただけます。

現地で対応できる調査員と連携し、工場や取引先の所在地で事業を行っている様子を確かめます。

インドネシアに現地法人がなくても依頼できますか?

はい、ご依頼いただけます。

日本からインドネシアの会社と取引している場合や、インドネシアの人材を日本で採用する場合も、調査の対象になります。

個人の方のインドネシアでの調査は、ファミリー調査事務所のインドネシアの調査ページをご覧ください。

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インドネシアの企業調査なら、ご相談ください

合弁や代理店の契約を検討しているなら、相手から受け取った会社案内と、株主や役員の名前、事業者番号(NIB)を控えておくと、調べる相手を取り違えずに特定できます。

現地法人の社員の不正を疑っているなら、自社の就業規則の写しを用意し、気づいた日と経緯を書き留めておくと、解雇の手続きに沿って何を確かめるかを決められます。

当社は、届け出られた株主や役員の経歴、事務所や工場の稼働、社員と仕入先との接触などを現地で調べ、合弁や取引、社員の処分を判断する材料として報告書でお渡しします。

会社や人物の名前と、判明している事実だけでもご相談いただけます。

ご相談は、秘密を守ったうえで、無料で受け付けています。

24時間受付のフリーダイヤル0120-862-506でも、ご相談をお受けしています。

この記事を書いた人
FAM
INVESTIGATION
代表取締役

山内 和也

株式会社FAM Investigation 代表取締役

東京都公安委員会 届出探偵業者 第30210283号

2004年より調査業界に従事し、20年以上にわたり国内外の調査現場に携わる。累計調査件数は3,000件以上。2022年に法人部門の専門窓口を開設し、企業からの調査相談に対応している。

海外はアジア12か国・北米・欧州・南米に調査エリアを持ち、ベトナムとタイに自社拠点を構える。信用調査、トラブル調査、所在確認、行動調査など、国内で完結しない案件にも独自のネットワークで対応する。

世界探偵協会(World Association of Detectives)、国際調査員協議会(Council of International Investigators)加盟。

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