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傷病手当金の不正受給を見抜く方法|企業のための実態調査ガイド

休職中の社員に、違和感を覚えていませんか。

「本当に働けない状態なのか」

そう疑いながら、確証がないまま時間だけが過ぎていく人事担当者は少なくありません。

放置すれば、社内の公平性やコンプライアンス体制に影響します。

この記事では、傷病手当金の不正受給が増えている背景と、企業が見抜くための具体的な方法を解説します。

見落としがちなサインや調査事例、発覚後の対応まで、実務に役立つ内容をまとめました。

疑わしい兆候にお悩みなら、まずはお気軽に無料相談にてお問い合わせください。

傷病手当金の不正受給、実は増えている

傷病手当金の不正受給、実は増えている|図解

 

傷病手当金の不正受給は、決して珍しい問題ではありません。

支給件数そのものが、右肩上がりで増え続けているためです。

全国健康保険協会(協会けんぽ)の公表データを見ると、増加傾向は数字にはっきり表れています。

協会けんぽが公表する傷病手当金の支給件数の推移

精神疾患を理由とした支給には、次のような特徴があります。

  • 令和6年度の支給件数は7万339件で、前年度比17.6%増
  • 支給件数に占める精神疾患の割合は、件数ベースで39.1%
  • 金額ベースでは43.7%に達し、最大の支給要因に

(出典:労働新聞社「傷病手当金 精神疾患が7万件超える」)

件数・割合ともに増えている以上、不正の混入リスクも比例して高まります。

診断書の効力の強さが傷病手当金の不正受給を見抜きにくくする

診断書には、強い効力があります。

内容が簡潔であっても、企業側が真偽を覆すのは簡単ではないためです。

休職の申告が唐突でも、書類上は覆しにくいのが実情でしょう。

もちろん、休職者の多くは本当に苦しんでいます。

しかし支給件数が急増している以上、悪質なケースを見過ごすリスクも高まっているのです。

傷病手当金の不正受給を人事担当者だけで見抜けない理由

傷病手当金の不正受給を人事担当者だけで見抜けない理由|図解

 

人事担当者だけで、不正の実態を見抜くのは困難です。

会社としてできる範囲に、いくつもの制約があるためです。

主な制約は、次の3点に整理できます。

就業規則上、私生活への踏み込み方は曖昧なままのケースが目立ちます。

本人へ直接確認すれば、かえって証拠が消えてしまうおそれもあります。

配慮を欠いた確認方法は、プライバシー侵害を訴えられるリスクも生みます。

就業規則上の線引きが曖昧

休職者の私生活に、会社がどこまで踏み込めるか。

この線引きは、就業規則上も曖昧なケースが目立ちます。

単独での行動確認は、現実的な方法とはいえません。

直接確認すれば証拠が消える

本人へ直接確認すると、行動を隠されてしまいます。

以後は、証拠が残りにくくなってしまうでしょう。

SNSなどの公開情報だけでは、投稿の真偽も裏付けられません。

プライバシー配慮とのジレンマ

配慮を欠いた確認方法は、別のリスクを生みます。

名誉毀損や、不当な監視だと訴えられる恐れもあるためです。

疑わしいのに動けない。

この板挟みが、多くの企業を悩ませています。

制約を超えて事実を確認するなら、不正調査の専門機関に任せる方法があります。

傷病手当金の不正受給、自社調査と専門調査の違い

傷病手当金の不正受給、自社調査と専門調査の違い|図解

比較表で見る違い

実態確認の方法には、専門調査への依頼をおすすめします。

自社での確認は、証拠の質や法的リスクの面で不利になりやすいためです。

自社での確認は、手軽に見えます。ただし証拠の強さや法的リスクの面で、不利になりやすいのが実情です。

処分を検討するなら客観的な証拠が不可欠

懲戒処分や解雇を検討する場面もあるでしょう。

その判断には、客観性のある証拠が欠かせません。

対象者の生活実態を洗い出す素行調査は、その証拠集めに直結します。

傷病手当金の不正受給で見落としがちなサイン

傷病手当金の不正受給で見落としがちなサイン|図解

 

不正受給のサインは、SNSの遊興投稿だけではありません。

手口が巧妙化し、見えにくい形で表れるケースも増えているためです。

代表的なパターンは、次の3つです。

複数の医療機関で診断書を集めるドクターショッピング型もあります。

休職や退職の直後から転職活動を進める求職活動型も見られます。

配偶者や家族名義で実質的な収入を得る、名義分散型も代表的です。

ドクターショッピング型

複数の医療機関を渡り歩くケースがあります。

症状を都合よく伝え、診断書を集めてしまうのです。

療養期間が不自然に延長を繰り返すケースも見られます。

求職活動型

休職や退職の直後から、転職活動を始めるケースもあります。

転職エージェントへの登録が、その典型例です。

名義分散型

本人名義ではなく、配偶者や家族名義で事業を営むケースもあります。

実質的な収入を、名義の外側で得てしまうのです。

単発の情報だけでは、判断できません。

複数の事実を時系列で照らし合わせて、初めて見えてくるサインです。

傷病手当金の不正受給調査で明らかにできること・できないこと

傷病手当金の不正受給調査で明らかにできること・できないこと|図解

 

専門の調査機関に依頼しても、確認できる範囲には限りがあります。

法令を守った調査である以上、当然の制約といえるでしょう。

できることとできないことを、整理しておきましょう。

調査で確認できる範囲

  • 公道や公共の場で見える、外出状況や行動
  • 就労とみられる行動の有無
  • 通院の有無や頻度

調査では確認できない範囲

  • 医療機関のカルテなど、非公開の医療情報
  • 金融機関の口座情報
  • 私的な通信内容

調査結果は、あくまで行動の事実を示すものです。

それだけで「不正受給である」と、法的に断定はできません。

最終的な認定は、健康保険組合や弁護士の判断に委ねられます。

調査は、企業が次の一手を判断するための材料集めだと考えてください。

行動確認とあわせて、勤怠や評判を確認したい場合は人事調査もあわせてご検討ください。

傷病手当金の不正受給の調査事例

傷病手当金の不正受給の調査事例|図解

 

ここでは、実際にあった調査事例を紹介します。

企業からの相談をもとに、傷病手当金の不正受給が疑われたケースです。

状況ごとに、確認できた実態が異なります。

事例1:複数の医療機関で診断書を使い分け、傷病手当金の不正受給が疑われたケース

長期休職中の社員について、相談が寄せられました。

療養期間の延長が、不自然に続いているという内容です。

調査の結果、症状を変えながら複数の医療機関を受診していました。

それぞれの医療機関で、診断書を取得していたのです。

企業側はこの事実をもとに、産業医との面談を設けました。

事例2:退職後の継続給付を受けながら転職活動を進めていたケース

退職後も、継続給付を受けていた元社員がいました。

同業他社への転職を進めているという情報が、寄せられました。

調査の結果、転職エージェントとの面談を重ねていました。

すでに、内定に近い段階まで話が進んでいたのです。

労務不能とされる状態と、実態には明確な矛盾がありました。

事例3:配偶者名義で事業を営み、収入を隠していたケース

休職中の社員について、収入源への疑問が寄せられました。

生活に困っている様子が、まったく見られなかったためです。

調査の結果、配偶者名義で開業した店舗が見つかりました。

対象者は、実質的な経営者として日常的に関わっていました。

名義を分けることで、収入を隠していた実態が明らかになりました。

休職中の勤務実態については、労災休業中に遊び呆ける社員は処分可能?証拠集めと会社の正しい対応策でも詳しく解説しています。

傷病手当金の不正受給が発覚後、解雇・懲戒処分は本当に有効か

傷病手当金の不正受給が発覚後、解雇・懲戒処分は本当に有効か|図解

 

不正の実態を確認できても、すぐに処分へ進むのは避けるべきです。

手順を誤ると、企業側が法的リスクを負うこともあるためです。

押さえておきたいポイントは、次の2つです。

処分の妥当性が問われる

解雇や懲戒処分には、就業規則上の根拠が必要です。

処分の重さと、事実の程度が見合っているかも問われます。

証拠が不十分なまま踏み切れば、不当解雇とされる恐れもあります。

弁護士との事前のすり合わせが重要

調査で得た事実は、そのまま処分の根拠にはなりません。

顧問弁護士など、専門家との事前のすり合わせが重要です。

健康保険組合への申告や、返還請求の手続きも確認しておきましょう。

傷病手当金の不正受給調査を依頼すべきタイミングの見極め方

傷病手当金の不正受給調査を依頼すべきタイミングの見極め方|図解

調査は、思い立ったらすぐ依頼するものではありません。

状況によって、適切なタイミングが異なるためです。

判断の目安を、2つのケースに分けて紹介します。

まだ様子見でよいケース

疑わしい兆候があっても、すぐの依頼は不要な場合もあります。

噂や単発の目撃情報だけなら、社内での事実整理から始めましょう。

調査を検討すべきケース

複数の情報源から、同様の話が繰り返し寄せられている場合は検討時です。

診断内容と生活実態の矛盾を、具体的に説明できる場合も同様です。

復職や退職の判断期限が迫っている場合も、早めの検討が必要でしょう。

迷ったら、まず無料相談で状況を整理してみましょう。

傷病手当金の不正受給調査の費用と期間の目安

傷病手当金の不正受給調査の費用と期間の目安|図解

依頼を検討するうえで、費用と期間は気になるところです。

調査の内容によって、金額と日数は変わります。

目安を、以下にまとめました。

費用の目安

  • 短期間の行動確認:12万円〜20万円程度
  • 中期的な生活実態調査:20万円〜35万円程度
  • 継続的な観察を伴う調査:30万円〜50万円程度

調査期間の目安

調査期間は、数日から2週間程度が一般的です。

正式な依頼の前に、状況に応じた見積もりをご案内します。

傷病手当金の不正受給に関するよくある質問

最後に、よくいただく質問をまとめました。

Q. 傷病手当金の不正受給を疑う根拠が噂話程度しかなくても相談できますか。

相談自体は、根拠の強さを問いません。

噂話の段階でどこまで調査すべきか、一緒に整理できます。

無駄な費用や社内トラブルを避けることにもつながるでしょう。

Q. 傷病手当金の不正受給の調査結果だけで懲戒処分や解雇を進めてよいですか。

調査結果は、事実確認のための材料です。

処分の妥当性そのものを、保証するものではありません。

就業規則の内容や事実の程度をふまえ、弁護士にも確認しましょう。

Q. 傷病手当金の不正受給を健康保険組合にはどのタイミングで報告すべきですか。

証拠が固まる前の報告は、おすすめできません。

対象者に警戒され、行動を変えられてしまう恐れがあるためです。

事実関係を確認したうえで、報告のタイミングを判断しましょう。

Q. 調査していることが本人に気づかれることはありませんか。

対象者に気づかれない方法を、徹底しています。

これまでの実績でも、発覚を防ぐノウハウを積み重ねてきました。

まとめ|傷病手当金の不正受給は感情ではなく事実確認から

傷病手当金の不正受給は、見えにくい形で進行していることが少なくありません。

SNSの投稿や噂話だけでは、判断できないケースも多いのです。

自社での確認には、限界があります。

無理に踏み込めば、会社側がリスクを負うこともあるでしょう。

疑わしい兆候に気づいたら、まずは専門家への相談をおすすめします。

事実確認と対応方針の整理が、企業を守る確実な一歩になります。

他の不正調査の事例は調査ファイル一覧でもご覧いただけます。

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